Mehmet Tezkanコラム―中身はからっぱ!エルドアンのディヤルバクル演説
2010年09月04日付 Milliyet 紙

我々は、首相がとても重要なメッセージを発表するとは思っていなかった…。首相がクルド問題解決に新しい視点を加えることを期待していたわけでもなかった…。
首相が国民投票のボイコットを賛成票に変える魔法の言葉を言うことを期待していたのでもなかった…。
期待度は低かったのだ、しかしこれほどではなかった…。
我々はこれほどまでとは想像もできなかった…。
首相は何も言わなかった…。
63分間、何も言わないために語ったのだ…。文章も単語も、何の意味も見出されないようにと特に選ばれていた…。
西洋をがっかりさせる一文を言うでなく、東部を悲しませる言葉の一つもなく…。
失望を起こさず、期待も上がらず…。
要するに…
中身はからっぽだったのだ…。

■63分をどうやって埋めたのかというと…

(1960年クーデターの)5月27日から始めて民主主義の闘いを語り、2月28日過程まで来た…。
兄弟愛を強調し、立法者スレイマン1世の時代、征服王メフメト2世の征服の時代に我々が共存共栄していたこと、チャナッカレで、救国戦争で共に戦ったことを語った…。
(南東アナトリアの)ズルグトと (黒海地方の)ホロン…、(中央‐東アナトリアの)ハライと(西アナトリアの)ゼイベキの兄弟愛にも触れた…。
戒厳令を解除し、夏営地への立入禁止を解消し、各地の国家保安裁判所(DMG)を廃止したことを説明した…。クルド語の新聞、雑誌、書籍の刊行を許可したこと、TRTŞeş(TRT6)を設立したことを述べた…。
時折高まる、しかし熱を帯びない拍手でここまでを終えた…。

* * *

テーマは経済問題へと移った…。地方に行った投資、つまり畜産農家や農業者に与えた資金、飛行機の旅客数の増加を説明した。
ここにきたとき、スピーチは40分ほど過ぎていた。群衆は少しずつ散り始めた…。
広場の後ろの方は空になった…。
前方は人がまばらになってきた…。
これを見た首相は、すぐにテーマをディヤルバクル刑務所に持っていった…。
期待されたことは、首相が博物館にすると言うことだった…。
しかし言わなかった…。
新しい刑務所を作ったら壊すと言ったのだ!
広場の人々は呆然と互いを見やった…。

* * *

何十人もの大臣、エラズーからハッキャーリ、アドゥヤマンからシイルトへ至る全地域の国会議員を動員したディヤルバクル遠征の中身はこうしたものだった…。
ディヤルバクルは暑かった…。とても暑かった…。40度だと言われていたが、もっと暑かった。太陽は燃えたぎっており、人々はあの暑さの中で何時間も待っていた…。15時30分に始まるはずだった大会は16時45分に始まった…。
人々は干からびていた…。
それに値するものだっただろうか?そうだと言う者を私は聞かなかった…。

* * *

首相が一番多くの拍手を得たのはいつかと問うのなら…
最も真心があったときだと答えよう…。
一度、 「皆さんを愛している」と本当に心から語りかけたのだ、広場からはすぐさま同じ反応が返った…。
その他は…。
その他は、スピーチ・プロンプターを見ながら注意深く読まれた文章だった…。

■「ボイコット反対」のハカン・シュクリュ

大会は終わった…。首相は演壇で人々に挨拶している…。
彼も賛成していると言った時、その声が高まった…。
ハカン・シュクリュも賛成だと言っている…。ふと見るとハカン・シュクリュが演壇にいるではないか…。
彼とディヤルバクルと何の関係があるというのか…。
ハカンはアダパザル出身だ…、彼の関心はガラタサライだ…。
ディヤルバクルの人々の多くはガラタサライ支持者だからだろう…。
元ガラタサライ所属のスアトも演壇に呼ばれた…。
たしかに、彼は関係ある、彼はディヤルバクルスポルの監督だ…。
元ゴール・チャンピオンのハカン・シュクリュに助けと求めたところを見ると、ディヤルバクルでは上手くいっていないのだろう…。

■賛成票のためのイフタール

(神は)我々に言われた…。
人に断食を明けさせるのは善行だと…。
客人に断食を明けさせること、ラマザン月に空腹の人の腹を満たすことは、スィラートの橋(火獄の架け橋)を渡るのを容易にすると…。
イフタールは見返りを求めずに与えられるのだ…。コップ1杯の水でも、1粒のナツメヤシでも十分なのだ…。

* * *

もう我々は知っている…。
ギネスブックに載るためにイフタールが供されている…。
プロパガンダを行うためにイフタールが供されている…
票が欲しいから、イフタールが供されているのだ…。

* * *

(神は)我々にこうは教えられなかった!…
イスタンブルのエセンレル市は4万2千人を集め、イフタールを供した。目的はギネスブックにその名をしるすためだった…。
アンカラ広域市のギョクチェキ市長の下で7万人にイフタールが供された…。市の交通機関は間断なく人を運んだ…。
目的は賛成票を得る為だった!…
イフタールの食事が、賛成と書かれた箱に入れられ配られた…。ギョクチェキ市長は、イフタールの食事で賛成への呼び掛けを行った。首相が賛成の言葉を望んだのだ…。
イフタールに政治が絡んだのだ!…

* * *

宗教知識人は一体何と言うだろうか!
あの食事がイフタールと言えるだろうか?
見返りを求めずに供されるイフタールだとみなされるだろうか?

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:20091 )