ギュル大統領、国連総会で演説
2010年09月23日付 Zaman 紙


国連総会開会式で演説したギュル大統領は、トルコ人9人が犠牲となったマーヴィ・マルマラ号襲撃事件に関する国連人権委員会のレポートを称賛した。同レポートが、この悲惨な事件の真相を明らかにしたとするギュル大統領は、イスラエルに対し再度、謝罪と損害賠償を求めた。

ギュル大統領は、国連人権委員会情報収集調査団によるーヴィー・マルマラ号襲撃事件に関するレポートを高く評価すると述べた。国連総会開会式の初日に各国首脳に対して演説したギュル大統領は、同レポートが、この悲惨な事件の真相を明らかにしていると強調した。

演説のなかの「地域の問題」という部分で、マーヴィ・マルマラ号襲撃事件に触れたギュル大統領は、トルコは、中東和平にむけた全ての努力を支援していると述べた。その上でギュル大統領は、「国際人道支援船団に対し、公海上で、去る5月におきたイスラエル軍による襲撃は、一般市民に重大な犠牲を生んだ。この容認しえない行動は、国際法に明確に違反している。国際法にもと、トルコは、公的な謝罪と犠牲者の家族に対する保障、負傷者への賠償を求める。この観点から、事件に関する公聴会と情報収集調査団の活動は、非常に重要である」と述べた。

大量破壊兵器の拡散は、世界が直面している問題の一つであるとするギュル大統領は、「核兵器を保有している国を含め、すべての国連加盟国が、自国の政治において公正で原則にのっとった態度をとらないかぎり、この脅威を乗り越えことはできない」と述べた。そして、暗にイスラエルの核保有に言及し、「このもっともデリケートな地域にある国々に事実上核兵器が存在することが無視されているかぎり、グローバルなレベルで、確かな核拡散防止体制を構築することは不可能である」とのべた。

安全保障理事会での「中東における大量破壊兵器非装備地帯」構想への努力がさらに進めることを求めたギュル大統領は、「2010年5月にニューヨークで開催された核拡散防止条約検討会議で呼びかけられた、中東大量破壊兵器非装備地帯形成を目的とする2012年国際会議を支援する。この一歩が、世界の他地域での大量破壊兵器拡散防止の取り組みに対し、必見の手本となると信じている」との表現を用いた。イランの核開発問題が、平和的、協調的に解決されることを望むとするギュル大統領は、「この問題の解決は、国際原子力委員会とNPTの義務規定に従い、原子力エネルギーの平和利用の権利の尊重という枠組みのなかでのみ可能となる」と述べた。

ギュル大統領は、月曜日に、「テロとの戦い」をテーマとする安全保障理事会の会議が開催されることに言及し、今日のもっとも深刻な脅威の一つに対し共に応えていく上で手本となる平和的な手段が、「文明間の対話」の実現である、と述べた。

自然災害に対し、国連傘下で、「国際緊急支援基金」の設立を求めたギュル大統領は、演説のなかでキプロス問題にも触れ、「国連事務総長が発表した、年内解決を目標とするヴィジョンを支持する」としながらも、このプロセスは、着地点不明のものであってはならないと強調した。これは、ギュル大統領は、キプロスのトルコ人がおかれている孤立を救い、世界との一体化を保障するための一歩をふむだすべきだとする国連事務総長の呼びかけに言及したものである。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:20235 )