第一副大統領「我々には、アメリカに追従する国々を懲らしめることも可能だ」
2010年10月10日付 Jam-e Jam 紙

もし我々がフランスの妨害行為へのお返しとして、少しばかり眉をひそめれば、フランスの自動車産業は崩壊するだろう。

 第一副大統領は、対イラン制裁論議でアメリカに追随している国々を経済的に懲らしめるだけの力がイランにはあると指摘し、「例えば、イランが少しばかり眉をひそめただけで、フランス自動車産業は崩壊するだろう」と語った。

 ファールス通信によると、モハンマド・レザー・ラヒーミー第一副大統領はテヘラン国際工業見本市の閉会式での演説で、一部の西洋諸国がイランに対して制裁を科していることに触れ、「〔‥‥〕ヨーロッパの一部の国々はアメリカに追随する形で、〔国連安保理〕決議を越えた〔独自の〕対イラン制裁に加わった。とはいえ、我々のヨーロッパ諸国との貿易量はさほど多いものではなく、230億ドル程度である。この数字は我々の輸出量の〔ほんの〕一部を構成するもので、フランスやイタリア、ドイツなどの国々に対するものである」と続けた。

 第一副大統領は「もし我々がヨーロッパによる制裁へのお返しとして眉を少しでもひそめれば、フランスの一部の産業は崩壊するだろう」と指摘し、これに関する例を示しながら、次のように明言した。「例えば、もし我が国の鉱工業相がフランスからプジョー車の部品の輸入をキャンセルする決断を下せば、我が国の輸入額は25億ドル分減ることになる。そうなれば、フランスでは何が起こるだろうか?私の考えでは、フランスの自動車産業は崩壊するだろう。フランスの二大自動車メーカーであるルノーとプジョー・シトロエンはイランの自動車メーカーとかなりの経済的やり取りがあるからだ」。

 第一副大統領はさらに以下のように強調した。「イランの成長と発展のお陰で発展を遂げた某小国が最近、我が国を混乱させようと企んでいる。こうしたことから、我々がその国を粗末に扱うことにしたとしよう。そうなれば、その国は百年前の状況に引きずり込まれることになるだろう」。

 第一副大統領が言及しているのは、おそらくアラブ首長国連邦(UAE)のことだと思われる。最近UAEは、イラン系銀行に対して難題を突きつけているからだ。

 ラヒーミー氏は「力に物を言わせる国々、盲目的にアメリカに従っている国々を懲らしめることなど、我々にとって訳ないことだ」と述べ、さらに「我々はこうした国々との協力の道を選んできたが、もし彼らが力に物を言わせる姿勢を取って、イランに理不尽なことを言うのであれば、彼らは逆に懲罰を受けることになるだろう」と語った。

 同氏はさらに、「イランに対する自身の行動を改めようとしないならば、こうした国々は〔イランによる〕懲罰を覚悟しなければならない。そうした国の一つについては、すでに名指ししたし〔※フランスのこと〕、また別のある国についてはそれとなく示唆しておいた〔※UAEのこと〕」と改めて強調した。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:20440 )