基準に満たぬ学習参考書が教育現場を席巻
2010年10月18日付 Jam-e Jam 紙

教育省次官:生徒に学習参考書購入を義務づけ、学校での正規の学習時間にその内容を教えることは法律に反している。

【社会部:キャターユーン・メスリー】昨今、全国の学校で学習参考書が〔国定〕教科書と肩を並べるまでの存在感を示すようになっている。授業を支える不可欠の存在にのし上がるのも、そう遠いことではないかのような勢いだ。その一方で、教育省は学校での学習参考書の使用禁止を発表している。

 学習参考書をみつけるためには、何も〔多くの書店が軒を連ねるテヘランの〕エンゲラーブ通りや市街中心部に足を運ぶ必要はない。なぜならどんな書店でも、一部の地域図書館にすら、この類の本を見かけることができるからだ。


 〔‥‥〕かつて『虎の巻』などとバカにして呼ばれていた教科書〔※参考書の誤り〕が授業を席捲している。ホッジャトルエスラーム・モヒーオッディーン・バフラーム=モハンマディヤーン教育省次官(研究担当)は、教育現場での学習参考書の使用禁止を発表した際、「残念ながら一部の教師たちは、授業での自分たちの仕事を軽減させるために、学習参考書を使用している。これは明らかな法律違反だ」と述べ、さらに「生徒に学習参考書購入を義務づけ、学校での正規の学習時間にその内容を教えることは、法律違反だ」と明言した。

 同次官の発表、ならびに「教科書計画機構」が認めたところによると、市場に出回っている学習参考書のうち半数が基準に満たない質のもので、学習よりも暗記を奨励し、生徒たちの能力低下を招いているという。マスメディアでは一部学習参考書について大規模な宣伝が行われているが、こうした宣伝は〔当の学習参考書が〕教育省の認証を得ていることを意味するものではないのである。

学校での学習参考書の購入:奨励から義務まで

 しかしながら、現在全国の学校で行われていることが、教育省の立場と一致しているわけではないのも事実だ。各学年、特に中学や高校に通う子どもをもつ親たちの多くは、学習参考書を揃えることが義務となっていると指摘している。

 S・ジャラーリーさんは、「中学生と高校生の2人の子どもがいますが、〔例年〕新しい学年が始まって数週間が経った頃に、学習参考書を購入するよう、教師たちから子どもたちへの要求が始まります」と証言する。

 この父親によると、最初はこの学習参考書の購入は義務ではなく、よりよく学習を進めたいと思う生徒が購入すればよいなどといわれるのだが、1ヶ月も経つと、この学習参考書を持っていない生徒は、持っている生徒に比べて、学習面で遅れをとるようになるのが常だという。というのも、教師は多くのケースで、課外授業の際にこうした学習参考書を参照して授業を行うからである。

〔‥‥〕

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:20477 )