北イラク在アルビル・トルコ領事館で共和国記念日祝賀
2010年10月29日付 Hurriyet 紙


北イラク・クルド自治政府の首都アルビルに、3月に領事館を開いたトルコは、10月29日の共和国記念日を祝う在外公館のなかに今年初めてアルビルを加えた。トルコのアルビル総領事アイドゥン・セルジェン氏が主催する29日夜の祝賀会では、初めてクルド自治区の国旗もトルコの外交儀礼の中で正式に扱われることとなる。

10月29日の共和国記念日は、今年初めて北イラク・クルド自治区で、イラク中央政府の首都バグダッドとは別の祝賀会として祝われる予定だ。トルコのアルビル領事、アイドゥン・セルジェン氏が主催者となる今夜(29日)の共和国記念日祝賀会には、北イラク・クルド自治政府から要人の参加が期待されている。トルコ領事館はいまだに仮の建物で業務を行っているため、祝賀会は、イラク最大のサロンを持ち、トルコの会社によって建てられた、「サアド・アブドゥッラー・コンベンションセンター」で執り行われる。

■来賓はクルド自治政府の最高幹部

アンカラ政府は過去3年間で北イラク・クルド自治政府との関係を進展させてきた。そしてイラク問題のエキスパートである若い外交官アイドゥン・セルジェン氏を、3月11日にアルビル総領事として任命した。セルジェン氏就任後、イラクのクルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領が6月1日にトルコを訪問し、ベシル・アタライ内務大臣とザフェル・チャーラヤン産業相も9月にアルビルへ赴いた。この進展をふまえ、10月29日共和国記念日に際してさらなる重要なステップが踏み出された。アイドゥン・セルジェン総領事は本日(29日)執り行われる共和国記念日祝賀会に、クルド自治政府の要人と共に、クルド人地域内のアルビル、スレイマニイェ、ドフクの知事と副知事に対し、「トルコ共和国」のレターヘッドがついた招待状を送った。招待された人々の中には、商工会議所会頭やクルド人地域で事業を展開するトルコ人実業家、ウシュク大学とフェザ学校を含むトルコ人学校の校長等も含まれる。祝賀会の始めにスピーチを行う予定であるセルジェン総領事の演壇の後ろには、トルコの国旗とともにイラクとクルド自治政府の旗も掲げられる予定だ。

■3つの旗を掲げることで新たなステップ

アルビルにある執務室に「ヒュッリイェト」紙の記者を招き入れたアイドゥン・セルジェン氏は、領事館が積極的に活動していることや10月29日の準備について明かした。憲法上の正式名前である「クルド自治政府」という表現を使うことをためらわないセルジャン氏は、次のように語った。「イラク連邦の一角をなすのがこの地なのだ。したがって、この地域との関係を密にすることでイラクへの我が国のアプローチをより容易なものにすることになる」。
セルジェン氏は本日29日の祝賀会のための外交儀礼上の国旗取り扱いについて次のような言葉で説明を行った。「この地域ではどこでも、全ての公的な場所、全ての公式な式典、国民の祝日において、イラクの国旗と共に自治政府の旗も並べて掲揚する。われわれも、この形を崩すことなく、わが国の国旗とイラク国旗そしてクルド自治政府の旗を一緒に演壇の後ろに掲げようとおもう。実際、もしマスード・バルザーニー自治政府大統領が臨席してくだされば、大統領臨席の際には、こうすることが外交儀礼上正しいのである」
祝賀会におけるこうした扱いは、アンカラがアルビルとの関係を進展させようとする新たな一歩を象徴している。マスード・バルザーニー大統領が6月にトルコを訪問した時は、演壇にはトルコの国旗だけが置かれていた。

■新領事館は2010年には間に合う

トルコ領事館はアルビルにある17番目の外国領事館である。エジプト、アラブ首長国連邦、イタリアはトルコに続いて領事館を開くための準備を始めた。アルビルのトルコ領事館は、市街地に建てられた新しい高層ビルの1つの11階に一時的に設置されている。領事館の業務は550平方メートルのスペースの中で行われている。ビザ発給業務は建物入り口の100平方メートルのスペースで執り行われている。領事館の正式な建物の起工式は1月に行われる予定だ。自治政府はトルコのためにセラハッディン通りに375ドニュムリュック(約34㎢)の土地を提供した。この土地には書記局(記録と文書業務、法務、公証、会計などの業務を行う部署)や官舎も建設される。アイドゥン・セルジェン総領事は、新しい建物は2012年の10月29日共和国記念日には間に合うと述べた。

■我々はどこへ向かおうとしているのか、そして我々の取り組みをお話ししましょう

就任して以来8ヶ月間、招待された会合では、たいてい数値や仕事量について話していたアイドゥン・セルジェン総領事であるが、今回はこれまでとは異なる内容を話してくれている。「我々がどこへ向かおうとしているかお話ししたいと思う。実際、トルコとイラクのクルド人達との関係はおおかた良好である。この地域は1992年にサダムの圧制から救われた。2003年以降、我々の関係が少し緊張状態にあったこともあった。そこにはテロ組織の襲撃という要因があった。2007年以降は双方における援助、政治的な成熟、リーダーシップによって、また、トルコもこの地域を包含することによって、この緊張を乗り越えられたと私は感じている。この地域を互いの繁栄と安定のある場所へと変えていくために、一緒に我々が示した試みについて語るつもりだ。私に寄せてくれた厚意に対し、自治政府当局には感謝の意を述べようと思う」と話した。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:20534 )