「それでもなんとか」スタート、クルド語学科
2010年10月29日付 Hurriyet 紙


高等教育機構が「クルド学学科」という名を承認しなかったために、学科の名は「現存言語学科」された。しかし、生徒らの間では「ギリギリ現存Her Şeye Rağmen Yaşayan」言語研究科と言われている。

4人の教員がジンジリエ・マドラサの建物を利用して30人の大学院生にクルド語と文学の授業を行っている。アルトゥックル大学学長であるオマイ教授は「シリア語学科の研究者を見つけるのに苦労している」と述べている。

「ここは、メソポタミアに語りかけている。単にトルコという地域に対してだけでなく、すべての地域に語りかける場所なのだ。イスラム教徒、シリア正教徒、キリスト教徒を含む我々が、ここに皆、ともに貢献してきた。この地域に偉大な知識人がやって来て、大きなマドラサが開かれたのだ。今日、これらは再び活性化し、これらに関する大変すばらしい研究がなされている。」

マルディンのアルトゥックル大学で行われた講演で、アブドゥッラー・ギュル大統領はこう述べた。かれは、トルコ語、クルド語、アラビア語、シリア語の4つの言語で書かれた横断幕で歓迎されたが、アルトゥックル大学に今年開設された「現存言語研究科」も、それと同様に、深い象徴的な重要性をもっている。高等教育機構が「クルド学」という名称を承認せず、「現存言語研究科」と名付けられた。このため、生徒たちはこの研究科を、「ギリギリ現存」言語研究科と揶揄しているが、それでもこれは1つの事件なのだ。

■学部も不可欠

アルトゥックル大学学長であるセルダル・ベディー・オマイ教授は、研究科設置に関し、「確実に、大きな興奮の波がおこりました。クルド、トルコのそれぞれの世論から、大変良い反響を得ています」と述べた。しかし「現行法の規制」がその活動を制限しているとし、「クルド語学科の学部課程が開設されなければ不完全なままです。高等教育機構は、早急に学部の教育プログラムを承認すべきです」と述べ、重大な欠点を強調した。

■シリア語を知っている研究者がいない

セルダル・ベディー・オマイ教授によれば、クルド語学科に関し、(その方言である)クルマン語とザザ語ではまったく問題はなかったが、その他のクルド語方言に関しては研究者を見つけることが困難であるという。

「アラビア言語文化学科については研究者を見つけることはそう難しくはありませんでした」というオマイ教授は、一番の問題はシリア語学科だと、残念そうに語る。「一番困っているのはシリア語学科です。あいにく、トルコにはこの分野の研究者がまったくいないのです。そのため我々は、アメリカ、シリア、レバノンで研究者を探しています。この調査で見つかった研究者らと事前面談をして、研究者不足の問題を解決しようと努力しているのです。」

■シリア教会総主教座が去ったことが影響

セルダル・ベディー・オマイ教授は、シリア教会の総主教座が、さまざまな困難のためこの地を去り、ダマスカスへ移ったことに関して次のように述べた。

「どんな宗教、信仰の指導者も本人の望まない形で他所の土地へ行かねばならないということは、人道的な視点から見て正しいとはいえません。このことを、多くの場所で訴えてきたように思います。このことに関して、私にできることがあるならば、喜んで協力するつもりです」と述べた。

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( 翻訳者:篠原絵理香 )
( 記事ID:20539 )