Serpil Cevikcan コラム:解決のカギは、やはりPKKオジャラン終身刑囚
2010年11月01日付 Milliyet 紙

PKK(クルド労働者党)の停戦期限最終日となった10月31日にイスタンブル市街地で自爆テロが起きた。これがいったい何を意味するのか議論されている一方で、PKKは停戦期限を総選挙まで延長することを発表した 。

平和民主党(BDP)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首と、この2つの重大な事態に関連し、PKKの動きとその緊張状態について話した。デミルタシュ共同党首は、タクスィムにおける爆発は「挑発」であるとみている。

「はっきりしていたことは、この日がPKKの停戦宣言終了日だったということです。その日に、誰かがタクスィム広場で爆弾を爆発させているのだから、これが挑発でなくて、何でしょう。「(PKKの)軍事行動は、挑発ではない。PKKの指示での軍事行動なら、挑発とは呼べない」と言う声も聞いた。しかし、実行したのがPKKだったとしても、これは挑発だ。政府に情報があるなら、発表してもらいたい。」

爆発がPKK内部のグループの1つが行ったという可能性についてはどう考えるか。デミルタシュ共同党首の答えは以下の通りだった。

■今回の爆発は目的を達成していない

「PKK内部のグループが行ったという可能性もある。しかし、私は昨日から、この 事件を悲しむと同時に、次のような機会がトルコに生まれているのではないか、とも感じている。つまり、この種のテロは、その目的を達成していないのだ。これらは「挑発」目的で行われているが、人々は挑発されていない。これは、人々に恐怖を与える目的で行われているが、人々は恐れていない。だれかがトルコを混乱させようとして行ったが、混乱はしていない。ただ爆発した、というだけで終わった。これは新しい状況だ。私が思うに、トルコは多くの危機を乗り越えて、「成熟」にいたった。頭のなかで「挑発」を考える人も、そろそろ次のことを知らなくてはならない。トルコで、この酵母は発酵にむすびつかない、と。」

デミルタシュ共同党首は、この「新しい」状況が、(イムラル島に収監されている)オジャランも加わった対話のもたらした産物であると主張する。

「これらの問題に対する解決を求める雰囲気があることが、トルコでだんだん自覚されてきた。この種のテロは、この対話の基盤に打撃を与えるために行われている。それを実行したのは、戦争を望む人々だ。しかし、『私たちは彼らのバンにバターを塗らない!』という共通の意識が形成されているように思われる。」

■アイセル氏との会見前に停戦決定

デミルタシュ共同党首は、DTPのアイセル・トゥールク元議員が昨日(11月1日)行ったアブドゥッラ-・オジャランへの訪問について、「アイセルさんがまだオジャランのもとにいる間に停戦期限の延長が発表された。つまりアイセルさんがまだ行く前に、すでにオジャランとの接触があったということがわかる」との見解を示した。そして、「PKKの発表でも、停戦期限の延長の決議がオジャランの命令に基づいていることが強調されていた。ここから、今回のポイントはオジャランとの面会にあるのではないか」との私たちの問いに、デミルタシュ共同党首は次のように答えた。

「自然に考えればそうだ。私たちもこれまでそう指摘してきた。だからとって、最後の審判の日のような混乱は起きなかったでしょう。ことは正しい形で進展しています。この賢いふるまいが今後も続くことを願います。私たちもBDPとしての必要な役割を果たし続ける覚悟です。私たちにいつも、『トップの意向ばかり聞いている、そちらにボールを投げている』と言われてきましたが、私たちもこのように言っている。『問題のその面は、あちら(=オジャラン)と話し、解決策を見つけてほしい、話会ってほしい。私たちも政治の面では、自分たちのなすべきことをする』と。いま、実際にそうなtっているのです。」

■「トルコ全国に対して説明したい」

デミルタシュ共同党首は、停戦の間にBDPが何をなすべきかについて次のように述べた。
「クルド問題が今後解決されるとしたら、これは、必ず憲法レベルで行われます。エルドアン首相による、総選挙の前に憲法改正を行わないという言葉は、たいした意味を持ちません。母語での教育、民主的な自治の要求とはなにか。トルコに対し、停戦中に、これについて説明したい。これらによって、トルコは分裂しません。この偏見を壊したい。政治家、市民団体、識者は、これについて国民が分かる形で、すべての都市で、円卓で輪になって議論しなければいけません。私たちは、そうした場所に出向き、解決策の提案をします。BDP党員の逮捕を終わらせることや、選挙の得票率制限の引き下げことのような私たちの要求は、民主的なトルコのための闘争的議論です。ただ、『これらはうまくいかなかったら、停戦をやめる』とは言わないし、言えません。」

■クルチダルオールCHP党首とバフチェリMHP党首に呼びかけ

また、デミルタシュ共同党首は、「政府は、BDPとの交渉を躊躇しているのか」という質問には次のように答えた。
「(躊躇している、という)雰囲気をつくりだしたくないため政府は、BDPに対して強いけんか腰の言葉を用いている。BDPと政府が交渉しているという印象を世論で作らせないようにしている。これは、とても危ない政治だ。」

CHP(共和人民党)のケマル・クルチダルオール党首との会談は、スケジュールのせいで実現できなかったと話すデミルタシュ共同党首は、「最近なら、クルチダルオール党首との会談も可能だろう。これはCHP側の問題だ。私はBDP共同党首として、最近、CHPに期待をしている。彼らが突破口を開くかもしれない」と話した。また、MHP(民族主義行動党)のバフチェリ党首に対しても、次のようにメッセージを送った。「BDPとMHPの会談の必要があるなら、それをやらない理由はありません。すべての政党に私たちの解決策を説明したいと考えています。」

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20567 )