郊外のスラム街、イランで拡大中
2010年10月28日付 Jam-e Jam紙

【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】アジア・オセアニア人口問題研究センターの学術委員は、「たった25の都市にイランの全人口の半数、すなわち3500万人が集中し、そのうち1600万人がテヘラン、マシュハド、エスファハーン、タブリーズ、キャラジ、そしてシーラーズの6大都市に集中してしまっている」と述べた。

 モハンマド・モシュフェグ氏によれば、イランの大都市、特にキャラジ〔テヘランの隣街で、日本で言えば東京にとっての横浜のような存在〕、マシュハド、エスファハーンの人口が急増しており、キャラジは3.95パーセントという急スピードで人口が拡大中で、マシュハドとエスファハーンの増加率も2.5パーセントだという。

 しかしこれは、ここ最近の1〜2週間に公表された憂慮すべき統計の唯一のものではない。国家戸籍庁のモハンマド・ナーゼミー=アルダカーニー長官も最近になって、「現在、国の人口の68パーセント以上が都市部に生活しており、31.6パーセントが農村部に住んでいる状態である」と発表しているのである。

〔‥‥〕

光彩あふれる都市の「灰色」の郊外

 都市人口の増加は、農村人口と〔農業〕生産者人口の減少、そして彼らの都市部への移住を意味する。しかし、都市部に来たすべての農村民が市街地に入るわけではなく、そのほとんどが都市の入り口の部分、すなわち郊外のスラム街にとどまっている!というのが実情だ。

 しかし郊外のスラム街に住んでいるのは、移住してきた農村民だけではない。彼らに加え、合法・不法滞在の外国人、そして市街地を安住の地とすることのできない犯罪者たちもまた、ここの住人となっている。

 大都市人口の増加とともに階級格差も深く、また大きくなっている。大都市居住者たちは、働き手として利用するために、自分たちよりも社会的地位の低い階級を必要としており、そのため都市の拡大に対する監視の弱さ・欠陥の陰で、「大都市に人口が増えるにしたがって郊外のスラム街人口も増える」というシステムが出来上がっているのだ。

 〔スラム街に住む〕この階層は生産的な人口ではなく、彼らがスラム街へ追いやられた最大の理由は〔都市や農村で暮らしていくには十分な〕財力がないためである〔=スラム街に住む人々は、何かを生産する能力や財力がなく、都市の生産力の発展に寄与していない〕。

 何年もの間〔まともな生活を送るための〕機会にも恵まれなかったことも、スラム街の住人を犯罪に走らせる原因となっており、いわば地理が犯罪を誘発しているのだ。郊外のスラム街は犯罪と危険を作り出し、大都市は大きな風船となって、自身のまわりに郊外のスラム街という黒い影をまとっているのである。

 実際、治安維持軍の統計によると、テヘランで発生している殺人事件の3件に2件が、郊外で発生しているという。

 また、公式統計によると、現在イランでは少なく見積もっても、800万人がこうした郊外に住み、500万人がテヘランの郊外に、その他が別の大都市の郊外に住んでいるとされる。こうした場合、公式の統計はさほど信頼できず、本当の数字は専門家の推定よりももっと多いはずだ、というのが常識だ。

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(翻訳者:吉田みずき)
(記事ID:20587)