Taha Akyol コラム:共和人民党の喧嘩を読む
2010年11月04日付 Milliyet 紙

■共和人民党の喧嘩

共和人民党(CHP)はこの50年間、数々の分裂で揺れ動いた政党である。国民の大多数が、「彼らには国家を運営する能力がない」という印象をもつことになった大きな原因の一つがこれである。客観的に見て「自分たちさえまとめることのできない党」というイメージが、世論においてCHPをどのような状態に陥らせたか、説明する必要もないだろう。

このようなネガティブな構図の中、クルチダルオールが党首に選ばれて以来、初めて「指導者」らしい態度を示した・・・。初めて、よく使われる表現でいうところの「握り拳で机をたたいた」、そして、指導者としてのイニシアティブをもって行動した。

もし、こうした行動を最後まで貫き、選挙までそのスタイルを貫き通すことができれば、この危機はCHPにとって非常にすばらしい結果をもたらすだろう。

■互いにぶつかり合う両陣営

CHPでの危機は、法的そしてイデオロギー的に深刻である。オンデル・サヴ党幹事長は、CHPが長い間保持してきた凝り固まった体質を体現し、彼の話は同党が長い間行ってきたステレオタイプ的発言そのものである。昨日(4日)の長い演説は、社会、そして世界の変化に取り残された、ある「イデオロギー的な説教」であり、党内戦争への宣戦布告であった。

これに対し、ケマル・クルチダルオール、ギュルセル・テキン、フルシト・ギュネシ、センジェル・アヤタ、そしてウムト・オランのような人物たちは、(この党が)こうした殻を取り去り、国民に対し開かれることを望んでいる。

これらの二つの異なる政治理解は、スカーフ問題において非常に鮮明な形で表れていた。それはつまり、自由派と禁止派という違いである・・・。

法的観点からいうと、状況はやや複雑である。オンデル・サヴはクルチダルオール党首を、「攻撃的、仲間うちグループ、規則違反、法律への無知、内部腐敗、不平」のようなひどい表現で非難し、それは以下の法的根拠に依拠すとした。

「党首が招集した党議会会議は、党首不在でも有効であり、決議する権限を有している。党首が一人で決めた新しい執行部は無効である・・・。」しかるに、党首がどのような弁明もせず、党議会開催を承認せず、党議会に参加せず、そしてその無効を宣言したなら、それは、そもそも党議会を招集してはいないということになり、党議会は続けられないし、決議もできない。この点から、クルチダルオールのほうが法的に強い立場にあると私は見ている。

■刷新するため、一か八かやってみるべきだ

もちろん、法的な問題は何らかの形で一つの結果に至るであろう。大事なのは、CHPがどのような形で変化するか、ということである。以下のケマル・クルチダルオールの言葉は非常に重要であると考える。

「我々は、一部の人々のための政党ではなく、国民のための政党になるのだ。長い間(党の役職の)椅子に座ってきた人々は、CHPに何をしてくれたであろうか?その力を、国民からではなく、地位から得ようとする人々は、もうこの党にいる必要はない」

クルチダルオールが最も強調しているのは、疑いようもなく「新しいCHP」である。

これらの言葉は、1970年代初頭の「中道左派」運動のような、CHPの内部抗争や分裂による対立を彷彿とさせる。社会的(支持)基盤をどんどん減らしていくような古い考え方や古びた言動では、CHPは飛躍することはできないだろう。実際、これまでの全ての選挙はこのことを実証してきた。

CHPが発展するための唯一の条件は、古い殻の外に出て、社会の様々な層と対立しない政治を展開すること、共感を築くことである。この方法で、クルチダルオールとその同胞たちは、CHPを革新させながら、CHPを現実的で社会民主的な政党に変えるために、一か八かやってみるべきだ。
 
国民と共に歩むCHPの誕生は、私たちの民主主義がしっかりとした左右の均衡に基づき、しっかりとした土台の上に立つためにも不可欠である。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:20595 )