第2回黒海油田調査、今度も不調
2010年11月04日付 Zaman 紙

トルコ石油会社(TPAO)が米国のシェブロン社と共同で黒海で試掘した2つ目の試掘場所でも結果は不調だった。新油田探査が計画されているスルメニ沖合を“最も期待できる地域”と評価する専門家たちは、世界のメジャー企業が石油探査に進出して来ていることを指摘し、落胆してはいけないと話した。

トルコは(13年後の)共和国建国100周年となる年に石油の自給率を十分な水準とするため、海での石油探査活動を重視している。黒海での活動を重ねる国営のトルコ石油会社は、当初ブラジルのペトロブラス社および米国のエクソン・モービルと共同でスィノプの沖合で石油探査に着手した。初回の探査活動で芳しい結果が得られないと、次に米国のシェブロンと契約を締結した。両社が9月に開始した活動は10月末に終了した。トルコ石油会社が掘削権を100%所有するエレリ沖の採掘許可地区(ヤスホユック1)での探査活動も良くない結果となった。この両社は、2度目の石油探査活動について「ガスの兆候のある空田として放棄した」と公式報告を出し終了した。しかしトルコ石油会社は黒海での石油探査活動を矢継ぎ早に進める。本紙がエネルギー省関係者から得た情報によれば、トルコ石油会社は3度目の試掘をトラブゾンのスルメニ沖で実施することを計画している。また同関係者は、スルメニを“これまでの活動の中で最も期待できる地域”と説明している。

■ 専門家:落胆してはいけない

エネルギー省関係者および石油の専門家は黒海での2度目の探査活動からも良い結果が得られなかったことにつき“落胆してはいけない”と評価している。同関係者は、次のような情報を提供している。

「深海では、ひとつやふたつの試掘により石油・ガス田は特定できません。黒海も深海です。石油を見つけるためには何十もの試掘が必要です。また、この地域には英国石油(BP)、ペトロブラス、シェブロンといった世界のメジャー企業が進出してきています。しかも、最近進出した企業は当初来た企業がうまくいっていないことを知っていて進出してきています。現在も、ノルウェーのStatoil社が進出しようとしています。こうした全体の流れを見れば、トルコ石油会社も海外の企業もこの地域に対して大きな期待を抱いているのがわかります。」

石油の専門家たちは、石油探査の点から見た黒海の利点を次のように挙げている。「世界では、産出量の高い石油生産施設がすでに閉鎖されています。埋蔵された石油が尽きてきているのです。大企業はすでに深海に方向転換し、世界の多くの地域で石油を採掘しています。またこうした企業は新しい地区にも目を向けています。黒海が石油探査の新たな地域となっていることは、企業の関心を高めています。これは非常に重要な利点です。加えてトルコでは黒海だけでなく、すべての隣接海域のうち探査が行われたのはわずか1%です。つまり99%の地域では探査はこれからなのです。これは期待できる状態です。」

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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:20597 )