行き倒れの男、救急車のサイレンで生き返る
2010年11月04日付 Jam-e Jam 紙

通行人が供えていったお金を集めていた麻薬常習者の男、逃亡を図ったところを逮捕

人々の同情をさそい、死体の上にお金を置いていってもらおうと、死んだふりをしていた麻薬常習者が、警察や法医学関係者の存在に気づき、逃亡を図ったところを逮捕された。

〔‥‥〕

 ジャーメ・ジャムの報道によると、ある男性から、〔キャラジ近郊の〕シャフリヤール市フェルドウスィーイェ地区の学校の塀の裏に、見知らぬ男の死体が放置されているとの110番通報があった。

 警官たちはこれを受けて事件現場へと向かうと、そこに倒れている男を発見した。男はすでに死亡しているように見えた。そこで警官らは救急センターに連絡し、遺体を検死に送りたいので、現場に隊員を派遣するよう依頼した。

■生きていた死体

 警官らは〔救急センターの隊員が来るまでの〕数分間、遺体現場を離れた。そして現場に戻ったとき、ごみ置き場の横にあった遺体の倒れている向きが変わっていることに気付いた。

 警官らは怪しいと思いつつ、遺体に何度か呼びかけてみたが、返事一つしない。そこでもう一度、その場所から離れて、しばらくして戻ってみると、ごみ置き場の横にあった遺体の倒れている向きは、もとの状態にもどっていた。

 ちょうどその時、検死用の救急車のサイレンが聞こえてきた。すると現場にいた人全員が驚いたことに、麻薬常習者の男は勢いよく飛び上がり、逃亡を図った。警官らは男を取り押さえ、逮捕して警察署に連行した。

■死んだふりを自供

 逮捕された男は取り調べで、警察に対し「麻薬常習のために、街中を放浪していた。クスリを買うお金と生活費を稼ぐために、ごみの中からプラスチックを集めて売っていた」と述べ、さらに次のように続けた。「事件の日、プラスチックを集めていると、疲れてしまい、そのまま寝てしまった。目が覚めると、通行人が私が死んだものと勘違いして、小銭や紙幣を供えていったことに気付いた」。

 詐欺師の男はさらに「嬉しくなってお金を拾い集めた。お金は頭の下に隠してもう一度寝て、同じ方法でもっとお金を集めようとした」と語り、「何分かに一度、私の近くを通った通行人が私にお金を供えていったので、私はそれを直ちに拾った。こうした作業を続けていると、警官が現場に来たのに気がついた。逃げ道がなかったので、もう一度眠ることにした」と続けた。

 容疑者はその上で、「しばらくして救急車のサイレンが聞こえてきた。そこで逃げようとしたが、捕まってしまった」と付け加えた。

 記者からの報告によると、麻薬常習者の男に対して司法命令が下され、男は麻薬への依存を治療するために、麻薬常習者更生センターへ移送された。

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( 翻訳者:関雄仁 )
( 記事ID:20632 )