トルコ韓国首脳会議、原発契約に進展なし
2010年11月13日付 Milliyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領との待望の会談が実現した。しかしトルコで建設予定の200億ドルをかけた原子力発電所の案件はまとまらなかった。エネルギー天然資源相タネル・ユルドゥズ氏は、欧州・アメリカ・日本などの国々の企業とともにこの問題を議論することを明らかにし、「トルコの原子力発電所建設に関し、決定が覆ることはない」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と韓国の李明博大統領は、大統領官邸(青瓦台)で行われた朝食会議(ブレックファーストミーティング)に出席した。大統領官邸で行われた朝食会議にやってきたエルドアン首相を、李明博大統領は官邸の玄関で温かく出迎えた。両国の国旗を背に写真に納まったエルドアン首相と李大統領は、その後サロンへと移り、エルドアン首相が記帳簿にサインをした。

韓国の李明博大統領は、両国間の友好は言うまでもないとし、朝鮮戦争時のトルコ人戦死者のことを忘れることはないと話した。
またエルドアン首相も、韓国への訪問と李大統領の歓迎に大変うれしく思っていると述べた。G-20会議が大成功に終わったと話したエルドアン首相は、トルコと韓国の間の友好は特別かつ強力であると強調し、次のように続けた。

「トルコと韓国の間の友好はまったく特別で強力なものです。(朝鮮戦争時に)わが国の朝鮮派遣兵士らが貴国を訪れ、それにより我々の絆はより固いものになっています。韓国は極東における我々の2番目のパートナーです。わが国の産業において、高品質かつ適正価格で中間財を供給してくださる国として重要視しております。しかしながら我々の間の貿易量が十分だとは思っていません。貿易を増加させることを特に重視しております。」

■エルドアン首相、各企業CEOらと会談

エルドアン首相は、韓国で予定されている要人らとの会談のうち、インターナショナル・ホテルで韓国主要18企業の最高経営責任者(CEO)らと非公開の会談をも実現させた。
エルドアン首相はその後、現代(ヒュンダイ)のCEOである鄭夢九(チョン・モング)氏やPascoのCEO、ジョン・ヤン・チュン氏らと個別に会談を行った。

■ユルドゥズ大臣:「Bプラン、Cプランある」

エネルギー天然資源相のタネル・ユルドゥズ氏は、韓国との共同原子力発電所計画に関し、何度かの会談でみられた行き詰まり状態を克服するという意味で、非常に重要となる今回のエルドアン―李会談ではあったが、成果は得られなかったと述べた。
タネル大臣は「手を握りあったが合意しなかった。合意できなかったのだ」と述べた。大臣は、Bプラン、Cプランなどもあると話し、日本・欧州・米国との話し合いもスタートする予定であることを明らかにした。

ユルドゥズ大臣は、韓国との共同原発建設に関する話し合いに関し、ソウルで行われた会見で、各新聞の質疑に次のように答えた。

「本日は、親愛なる韓国大統領とわが国の首相が会談を行い、双方にとって素晴らしく意義のあるアプローチを再確認いたしました。非常に温かい会談となりました。そしてこの事業を行うことに関し韓国側は意思と決意を示してくださいました。我々も同じ決意をもっています。ただ、いくつかの条件が折り合いませんでした。最後の話し合いでもこの点をどうしても乗り越えることができなかったといわざるを得ません。一部の修正条件が提出され、我々の方で検討中です。我々もそれらを検討する旨を伝えました。しかしながら他の国々とも話し合いをスタートする予定でいます。これはお伝えしておかなければいけません。早期に交渉プロセスを終えなければならないのです。この件では数名の担当者を任命しています。」

■「原子力発電所に関して我々の決意は変わらない」

ユルドゥズ大臣は、欧州・アメリカ・日本の企業とともに、この件で話し合いを進めることになると明かし、「トルコの原子力発電所の建設に関して、決定が覆ることはない」と語った。

バイラム(犠牲祭)終盤、もしくはバイラム中にも会談を行うために、日本企業の東芝が(トルコを)訪れる予定であることを明らかにしたユルドゥズ大臣は、原発建設問題が非常に重要であることも強調した。

G-20会議のため、エルドアン首相とともにソウルを訪れたタネル大臣は、以前に行った会見で、エルドアン首相と李明博大統領との本日の会談が、行き詰まり状態を打破するという意味で重要になると語っていた。

原子力発電所の建設におけるトルコ側の負担はおよそ200億ドルになるとみられている。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:20679 )