キュタフヤ陶器の巨匠ストゥク・オルチャル氏、死去
2010年11月15日付 Zaman 紙


キュタフヤ出身の世界的に著名な陶芸家、ストゥク・オルチャル氏が、治療を受けていたイスタンブル・アメリカン病院で亡くなった。国内外で多くの賞を受賞したオルチャル氏は、長い間ガンの治療を続けていたが、最近になって症状が悪化し、その生涯をとじた。

ストゥク氏の葬儀は明日(17日)、エスキシェヒル―キュタフヤ高速道の22キロ地点に位置するセラミク・ハウスで行われる。遺体は簡単なセレモニーの後、正午の礼拝とともにムサッラー墓地に埋葬される予定である。

■ ストゥク・オルチャル氏について

ストゥク・オルチャル氏は、1948年、キュタフヤ県に生まれた。キュタフヤの土壌の豊かさに魅せられ、陶芸の道に進んだ。1973年には「オスマンル・チニ(オスマン陶芸)」という名で自身のアトリエを立ち上げた。芸術に妥協することなく陶磁器の分野での活動を続け、真の芸術家として名声を得た。その陶芸作品においては、伝統的な模様や形状を用い、イズニク陶器やキュタフヤ陶器の過去の傑作に習いつつ、新しい陶芸のスタイルを探求した。

1980年以降は、特にイズニク陶器を研究し、衰退の途をたどっていると思われていたキュタフヤ陶芸に新たな要素とダイナミズムをもたらした。また、イズニク陶器の神秘として300年間謎に包まれていたコーラルレッド(赤珊瑚色)の発見に尽力した。チャナッカレ陶磁器についても新たな解釈で分析した。

1980年からは国内外で数々の個展を開催し、多くの人の心を感動させた。ストゥク氏の作品は、1986年にギリシャのヴォロスで催されたバルカン諸国手工芸展覧会にトルコを代表して出品された。現在彼の作品は、個人や美術館に収蔵されている。一方ストゥク氏は18歳のときから「渓谷の一夜」というイベントも主催していた。このイベントには世界中からこの地に興味をもつ人たちが集った。主催されるツアーではキュタフヤのフリギア渓谷が紹介され、夜のキャンプには様々な文化背景をもつ人々が一堂に会していた。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20692 )