アフルーズ氏「離婚の最も多い原因は誤った選択」
2010年11月09日付 Jam-e Jam 紙

「最近の女性の教育・思想・職業上の自立が、彼女たちの忍耐力を以前に比べ衰えさせる原因となっている」

【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】「結婚の日」にあたる昨日、イランでは離婚の受け付けが一切行われなかったことをご存知の方も多いだろう。しかし一日だけ離婚の受け付けを停止したところで、イラン人の夫婦4組に1組が離婚に直面し、1組は無関心、1組は不満を抱えているという最近5年間の懸念すべき統計〔上の傾向〕が変化するというようなことがあるだろうか?

 〔‥‥〕心理学協会会長にして国の諮問委員、さらにはテヘラン大学の優秀なる教授でもあるゴラームアリー・アフルーズ氏は昨日、「結婚の日」に際して行われた記者会見で懸念される情報を示し、〔通り一遍の解説に終始することの多い〕記者会見の場をより興味深いものに変えた。

 同会長は、多くの離婚の根本的原因は誤った選択にあるとし、もし離婚に終わった夫婦が別の伴侶を選んでいたならば、家庭裁判所に足を運ぶようなこともなかったのではないかと指摘する。

 アフルーズ氏は「教育分野・職業・住宅などの選択は、どれも人生にとって二次的な選択である。最も根源的な人生の選択は、配偶者の選択である」と述べている。

心配ご無用、男は十分いる

 若い女性の多くはいまだに、死ぬまで独身のままでいることを恐れ、相手の欠点に見て見ぬふりをして、あわてて結婚してしまう傾向にある。これは大変な問題であり、こうした事態が生じる原因の一つに、我が国では女性の人口が男性に比べて多いというような情報が人口に膾炙していることが挙げられる。

 しかしアフルーズ氏は、次のように強調している。「こうした数字は全くの誤りであり、これを鵜呑みにすることは文化的害悪をもたらす。実際のところ、現在、結婚適齢期を迎えている女性1000人に対して、我が国には1020人の男性が存在しているのだ〔‥‥〕」。

忍耐の少なくなった女性、目移りする男性

 心理学協会会長のアフルーズ氏は、離婚の他の原因についても解説している。それによると、婚前の性交渉がないことが、夫婦間の結婚の絆を強めてくれる一つの要因となる、というのである。

 この大学教授は、さらに次のように付け加える。「配偶者を嫌悪し、離婚や別居へと至る根本的原因は、〔夫婦間の〕精神的・性的な拒否反応にある。例えば、〔夫婦が互いを〕悲観的に考えたり、悪意をもったり、〔互いに対して〕脅迫的・攻撃的・自己中心的・批判的・要求的な言葉を投げかけたり、はたまた男性が専横的な態度を示したり、多様性を好んだり〔=いろいろな女性に関心を示したり〕、〔夫婦が互いに対する〕興味をなくしたり、といったことが最初に、夫婦間に心理的ミゾをもたらし、徐々に離婚へとつながっていくのである」。

 一方で、離婚原因はこれだけではなく、アフルーズ氏によれば、ここ最近の女性の教育・思想・職業上の自立もまた、以前に比べて女性の忍耐限度を低くさせる原因となっているという。

 大学に行く男性の数が減少傾向にあり、若い男性の多くは教育に対する意欲が薄れ、高校を卒業しないうちに学校を退学してしまうケースも多い。その一方で、バーチャルな世界が〔男性の心を〕侵食し、インターネットや衛星放送といった〔情報〕機器の利用が普及したことによって、男性は性的な点でより多様性を好む〔=妻以外の女性に興味を持つ〕ようになっているという。

〔‥‥〕

「あの700万人は犯罪者になる可能性も」

〔‥‥〕

 アフルーズ氏によると、現在6歳から18歳までの青少年のうち、アメリカで94%、スウェーデンで97%、オランダで99%が学校教育のもとに置かれているが、その一方で我が国では教育の監督下にない青少年は35%以上に及ぶという(この数字は20年後には、大幅に減少することが予想されている)。

 同氏は「現在、青少年の65%のみが学校教育を受けているが、イランでは学校教育の下にあるべき6歳から18歳の青少年人口は2000万人以上を数える。つまり、このうち1300万人が学校に通っており、700万人が教育機会を奪われている計算だ。この700万人が一体どこにいるのか、見定めておく必要がある」と指摘する。

 同氏はこの疑問に対し、次のように警告している。「あの700万人には、中学や高校を放校になった者や、矯正施設や刑務所などにいる青少年も含まれている。彼らは将来、犯罪者になるかもしれない」。

〔‥‥〕

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


関連記事(国家青年機構長官、離婚増加に警告)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:今屋麻依子 )
( 記事ID:20761 )