Oral Calislarコラム:CHPクルチダルオールの静かな勝利
2010年11月23日付 Radikal 紙

共和人民党(CHP)の改革がさらに創造的かつ大胆なものとなれば、公正発展党(AKP)の一人勝ちの雰囲気を壊し、さらにAKPを転換させうるプロセスについて語ることができるだろう。

ケマル・クルチダルオールCHP党首は、現在まで追求してきた政治によって重要な成功を収めた。「そこには選挙での勝利はなく、世論調査での勝利もみられないのに、どうして成功と思えるのか?」と言われるかもしれないが。ケマル・クルチダルオール党首の成功を正しく評価するためには、CHPの構造的変化を検討する必要がある。
クルチダルオール党首は、デニズ・バイカル前CHP党首の突然の辞任によりオンデル・サヴ氏(前CHP事務局長)の支持により大あわてで党首の座に座り、多くの評論家はサヴ氏がクルチダルオール党首を操っていると考え、そのように論じていた。こうした論評は、CHPの混乱の裏にある本当の現実を照らし出してはいなかった。CHPを揺るがし、指導者を変更させる理由となった風は、(党の)深遠なるところから吹いていた。発展し、世界に開かれたトルコで20%以上の票を集める党は、自らを変革に対してこれ以上とどまらせることができず、変革の時が訪れたのだ。バイカル前CHP党首の後、サヴ氏(トルコとCHPの変化を望まないグループの急先鋒である一人として知られる)と彼に近い官僚的『政治局員』の人員整理は必然的であった。

■CHPとBDPの協力

最近議論されているCHPとBDPの選挙協力は簡単なことではない。両党が依拠する基盤と、近年党内に加わった政治様式を考えた場合、このような協力は不可能とさえ思われる。しかし、古い体制が揺らいでいる昨今、不可能だと思われていた多くのことが突然実現可能となったことを忘れてはいけない。AKPは、(2011年)6月に実施予定の選挙で、単独与党となるかのように見受けられる。CHP及び平和民主党(BDP)、民族主義者行動党(MHP)のような政党も、この状況にほぼ気がついていると思われる。野党では、「今までとは違ったことに挑戦すべきだ」という考えが強まっている。
AKPは8年の間、単独与党の座にある。近年、党の行く手を阻もうとする非合法な諸々の企てをも片付けているAKPは、(2011年6月の)来たる選挙においても勝利するならば、「13年間の支配」となる。これほど長期にわたる与党であることから、同時に当然のごとく「与党疲れ」――つまり色々と具体的な疲れの兆候が見え始めている――を引き起こしている。トルコのようなある国において、10年以上の期間に及ぶ政権与党が、一つの政党をステイタス・クオ(現状体制)の一部とし、及びステイタス・クオ(現状体制)と妥協することは、不可避だと思われる。AKPは特に、クルド問題について疲労困憊しているかのように見受けられる。この疲労を乗り切るためには強靭で創造的な野党が最も必要となる。CHPとBDP間での協力が検討される動きは、野党において本当に久々に注目される革新への模索ともいえる。この(両党の)接近は、クルド問題の解決のために新しい均衡関係の可能性を示すことから、国の将来を考えるという点で重要である。バイカル元党首下のCHPは、国家統制主義者でナショナリストであり、そして問題解決に反対するという姿勢を常にとってきた。このように過去の政党指導者から「協力は可能」という発言がなされることさえ、見逃すことのできない重要なサインである。
クルチダルオール党首は、CHPを「音もなく静かに」変えている。この改革は、今までとは異なる指導スタイル、異なる言葉だから、さらに効果的に実現しえたのだろうか。このことが議論されうるだろう。旅人がどこに辿りつくのかを見てみよう。私も、始めからからこの(CHPの)改革がトルコの運命を左右する可能性があるという見方を支持している。CHPの改革がより創造的で、大胆なものとなりうるのであれば、AKPの「一人勝ち」の雰囲気を壊し、さらにはAKPをも転換させるうるプロセスについて話すことができるだろう。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:20768 )