ビュユクアダ島の孤児院、ギリシャ正教会総主教の財産へ移管手続き完了
2010年11月27日付 Yeni Safak 紙


ビュユクアダ島の孤児院を総主教座へ移管するための手続きが全て完了した。一方フェネル・ギリシャ総主教座の弁護士ジェム・ムラト・ソフオール氏は月曜日(11月29日)に権利証書を受け取り、バルトロメオス総主教に渡す準備をしている。

ソフオール弁護士はこれに関してイフラス通信社(İHA) に説明を行い、「財団総局は2005年に、かかる孤児院の登記上の所有者であるビュユクアダ少年孤児院財団へ所有者変更するための訴訟を起こした。2005年6月に結審した裁判の結果所有権は同財団に移された。私たちもこれに対し欧州人権裁判所に公正な裁判と所有権、及び賠償金について裁判を起こした」と話した。ソフオール弁護士は、裁判は2008年7月に結審したと述べ、「判決によると裁判所はトルコが所有権を定めた議定書第1号に違反したとして、権利証書を再びフェネル・ギリシャ総主教座の名義で登録すべきとしている。同裁判では800万ユーロの賠償金と公正な裁判についても求めた。これらについて欧州人権裁判所は今後判決を下すとしている。トルコはこの判決を上告しなかった。上告しなかったため判決は確定し、判決が確定したため私たちには1年以内に裁判を開く権利が生まれた。そのため私たちは2009年9月にアダラル第一審裁判所で裁判の差し戻しを求めて訴訟を起こした」と述べた。

ジェム・ムラト・ソフオール弁護士は、この裁判が続く一方2010年6月15日に欧州人権裁判所が賠償金に関する二つ目の判決を下し、支払いは必要ないとしたことを明らかにし、「トルコに『この孤児院の所有権を返還するように』とし、最初の判決内容を強調した。その後、2010年11月3日の公判で被告の財団総局は私たちの訴えを受け入れた。この結果に基づき、裁判所は裁判を終わらせた。権利証書は再びギリシャ総主教の名義で登録されるという判決が下された。裁判所が下した判決を地券・不動産登記総局に伝えた。判事は判決を非常にすばらしく明確な形でまとめた。この判決で同局に指示が下された。この判決では、所有権を再びギリシャ総主教座へ移管するよう強調されており、同局は別途手続きを行う必要はない。当局はこの判決を実施しなければならない」と話した。

ソフオール氏は、ギリシャ人コミュニティは決定を喜んで受け止めていると述べ、「何年も前に失った権利を法的に取り戻した。これはトルコで初めてのことである。私はこの状況を法と罰として区別している。欧州人権裁判所の判決が国内法的に適用され、裁判の差し戻しという形で実施された初めての例である。この裁判は、今後の裁判の先例となるだろう。さらに先日ボズジャアダ島でも同様の裁判があった」と述べた。

ソフオール氏は、トルコ政府が判決に対し上告をしていない点を強調し、「トルコはこの判決を上告していない。このことから私は政府がこの問題に前向きであると考えている」と述べた。ソフオール氏は最後に、エゲメン・バウシュ国務大臣の「ここは環境保護研究所となる」という発言に言及し、「総主教聖下に伺うべきことであるが、私も同様の情報を聞いた。しかし古い建物なので修復の必要がある。修復のためたくさんの融資が必要となる。(そのような計画には)莫大な財源が必要となるだろう」と話した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:20800 )