クリントン国務長官、ダヴトオール外相と会見、外交公電漏えいを謝罪
2010年11月29日付 Radikal 紙


アフメト・ダヴトオール外相は、ウィキリークス文書に関し、アメリカが事前にトルコへ情報提供をしたことに感謝した。クリントン国務長官との会見後に記者会見したダヴトオール外相は、漏洩した文書のなかでトルコの名もでていることに関連し、クリントン国務長官が謝罪したことを明らかにした。

ダヴトオール外相はトルコ記者団むけの会見を行い、クリントン国務長官との会見について情報を提供した。ダヴトオール外相は、今回の訪米が、以前から計画されていたものであることを強調し、クリントン国務長官とは、長時間、さまざまな問題について討議することができたと述べた。

ダヴトオール外相は、クリントン国務長官とはこれまでも様々な問題を討議しており、「諸文書を検討するため、定期的に会見する必要があります。そのために計画された訪米でした。しかし、昨日ウィキリークスで公開され文書のせいで、今回の会見は、少々、特別な意味をもつことになりました。ただ、今回の会見では、ウィキリークス文書だけが取りあげられたわけではありません」と述べた。

ウィキリークス関連の問題が、アメリカの信頼性、トルコが進めている諸外国(アメリカを含む)との交渉、さらに、トルコ外交の様々な要素という観点から重要な意味をもつとするダヴトオール外相は、次のように続けた。

「もちろん、これを無視することはできません。このため、ウィキリークス問題について、クリントン国務長官と詳細に討議しました。トルコだけでなく、多くの国に関する何千という文書の問題です。我々は、これらの文書の信憑性や信頼性を議論する立場にはありません。これは、我々の話すことではなく、アメリカ自身の問題です。アメリカは、これを確認もしていませんが、否定もしていません。そして、現実に起こってしまったことです。このため、今回の会見が中心の話題がこれになることは、まあ、当然でしょう。」

■クリントン長官は謝罪

ダヴトオール外相は、クリントン国務長官がこの件に遺憾の意を表し、「トルコやその政府、また個人名がでていることから、首相や我々に、本件について謝罪した」と述べた。クリントン長官が、次の点をとくに強調したと語るダヴトオール外相は、次のように続けた。

「長官は、外交官らの分析が、政府の政治的決定や政治的態度を決めるとは限らず、ときには全く無視されることもあると強調した。これまでの歴代アメリカ国務長官、特に彼女自身のトルコへの態度、また、オバマ大統領のエルドアン首相やギュル大統領との関係、また、政治的なレベルでの関係が、完全な敬意の原則と、トルコ外交の基本方針ににもとづいていると述べた。この種のレポートが政治指導者の態度には反映しないと述べた。」

■ダヴトオール外相・クリントン長官会談

ダヴトオール外相は、ワシントン訪問の一環として、ヒラリー・クリントン米国務長官と会見した。「米外務省を訪れ、友人であり仕事仲間であるクリントン長官と、さまざまな問題について討議する機会をえたことは、私にとって非常にうれしく、名誉なことである」と述べたダヴトオール外相は、トルコとアメリカの関係が模範的であり、また戦略的パートナーのレベルのものであると述べた。

ダヴトオール外相は、「それゆえ、ウィリキークス文書を含め、今日は多くのことを話しあいました。ウィキリークスの件については)事前に情報を提供していただいたことに感謝します」と述べた。

(中略)

クリントン国務長官は、会見冒頭で「仕事仲間であり、また友人でもあるダヴトオール外相をお迎えできて光栄です」と述べた。そして、ダヴトオール外相とはここ22カ月にわたり、互いをよく知っており、さまざまな問題を話しあうため、今日また会見できてうれしく思うと述べた。トルコとアメリカとの関係はが、世界の重要な二国関係のひとつであると語るクリントン長官は、「この関係を強化し、深化させる必要がある」と強調した。ダヴトオール外相との会見は建設的なものだとするクリントン長官は、「それは、トルコとアメリカの間には、ともに行うことができる、行うべき多数の課題があるからです」と述べた。

■アメリカ外交はワシントンが決める

その後、クリントン国務長官は、ウィリキークス文書に関し、記者会見を行った。

ウィリキークス文書の公開後、最初にトルコのアフメト・ダヴトオール外相と会見したクリントン国務長官は、会見後、記者団の前に姿を現した。ダヴトオール外相と、漏洩した秘密文書に関し、建設的な話し合いを行ったとするクリントン長官は、文書に記された「疑惑」の内容については発言しなかった。

「アメリカ合衆国は、この文書が、違法な形で漏えいしたことを激しく非難する」と語るクリントン長官は、「これらの文書は人々の生命と安全を危険にさらす」と述べた。「アメリカ外交を決定するのはワシントンだ」とするクリントン長官の会見の主な内容は以下のとおり。

・これらの文書は、現在直面している大きな問題の解決に向けての努力に水をさす。
・それは、アメリカだけの利害にかかわる問題ではない。
・オバマ政権が努力のすえに構築した信頼関係は、この問題を乗り越える力をもつ。
・私は、いかなる形でも、表ざたになった、いわゆる「疑惑」に関し、発言はしない。しかしながら、アメリカ合衆国は、秘守されるべきものが、このような形で漏れ発表されることに反対する。
・これらは外交官らの個人的な印象を述べた文書である。アメリカの外国政策は、これらによって決定されるわけではない。外交官らの働きは誇りに思う。
・この文書がいかなる理由で公開されたにせよ、現実に生きている人々をリスク下におくことは明らかである。
・一部の人々は文書を漏えいさせた人々を称賛している。罪のない人々の生命を危険にさらしておいて、勇気などと言う言葉は使わないでもらいたい。
・不正を告発する文書の発表と、今回行われたことは、区別される必要がある。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:20816 )