ヨーロッパで最もイスラムに不寛容なのはドイツ―ドイツ人研究者レポート
2010年12月03日付 Radikal 紙

ヨーロッパで実施されたイスラムに対する意識調査で驚くべき結果が明らかになった。調査によれば、イスラムに最も不寛容なのはドイツである。
ドイツ、フランス、オランダ、デンマーク、ポルトガルでイスラムに関する調査を実施したドイツミュンスター大学のデトレフ・ポラック教授は、イスラム教徒に最も不寛容なのはドイツ人だと述べた。
ポラック教授は、今日(3日)、調査に関連してベルリンで行われた記者会見で、様々な点で異なるためドイツの西側の諸州と旧東ドイツ(DDR)の諸州を調査の段階で別々に調べたことを明らかにしつつも、「全体として、ドイツ人が最もイスラム教徒に不寛容である」と述べた 。

■3人に2人がイスラム教徒を好ましく思っていない

ポラック教授は、ポルトガル、オランダ、フランス、デンマークの人々の50パーセント以上が、一般的にイスラム教徒に好意的である一方、ドイツの西側の州ではイスラム教徒について好意的な感情を持っている人の割合が34パーセント、東側の州では、26パーセントであると述べた。また、イスラム教徒とより頻繁にコミュニケーションを取っている地域では、イスラム教徒に対する偏見や不安が少ないと述べた。
ポラック教授はドイツ人の約80パーセントが全ての宗教に敬意が示されるべきだと考えている一方、わずか50パーセントが全ての宗教グループに平等な権利が与えられるべきだと考えていること、また、イスラム教徒の宗教的実践が制限されるべきだと考えているドイツ人の割合は西の州では49パーセント、東の州では53パーセントであると述べた。
ポラック教授は、ドイツの西側の州では市民の30パーセント、東側の州では20パーセント以下がモスクの建設を認め、デンマークでは国民の50パーセント以上が、フランスやオランダでは3人に2人が、ポルトガルでは4人に3人がモスクの建設を認めていると述べた。

■イスラムが寛容な宗教であると考える人は5パーセント

ポラック教授は、ドイツ 国民の約80パーセントがイスラムを、女性に対する抑圧、60パーセントが暴力的という視点で捉えており、これに対してイスラムが寛容であると考えるドイツ人の割合は5パーセントにも満たないこと、調査を実施した他国ではこの割合が20パーセントを超えていたことを明らかにした。

西側の州では市民の5人に2人が、東側の州では市民の半分が、ドイツが外国の文化によって脅かされていると考えていること、このように考える人は、調査を行った他の国ではもっと少なかったことを示すポラック教授は、ドイツ人の70パーセントが文化の多様性を、豊かさとしてではなく多くの問題の原因と捉えていること、この割合がフランスでは約59パーセントであると述べた。

ドイツが、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教のような信仰に対しイスラムよりも寛容であることに注目するポラック教授は、ドイツの歴史を振り返った時に、ユダヤ教に寛容さを示す数値が60%台に上ったことは、自分にとって驚くべき結果だったと述べた。

ポラック教授は、ドイツでは、イスラム過激派がテロを行う可能性があるとし、それがおきたなら状況をより悪化させると予想しており、テロがおこったなら、その後ドイツ国民は偏見が正しかったと結論付けるであろうと語った。
調査の結果をポラック教授とともに発表したニルス・フリードリヒ氏は、調査の興味深い点として、イスラム教徒との関係でより苦い経験があるオランダやデンマークといった国々では、イスラム教徒により寛容な態度が示されていると述べた。

研究者のアレキサンダー・イェンデル氏も、9.11事件のあとイスラム教徒に対する見方が悪化したと指摘し、調査が実施された全ての国で国民の約80パーセントが、自分たちの文化にイスラム教徒が同化すべきだと考えていることを明らかにした。

調査の責任者であるデトレフ・ポラック氏が調査の結果について提出した最初のデータは、昨日(2日)、週刊「ディー・ツァイト」紙の「キリスト教と世界」という付録に掲載された。

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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:20848 )