エジプトで当局とコプト教徒が衝突
2010年11月25日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■警察との衝突でコプト教徒のデモ参加者が死亡―ギザ県

2010年11月25日付『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HPアラブ諸国面

【カイロ:AFP通信】

 昨日水曜[24日]、カイロ南部・ターレビーヤ地区で起きた警察当局とキリスト教徒住民との衝突によりコプト教徒のデモ参加者1人が死亡、15人近くが負傷した。また20名あまりの警察隊員も負傷した。警察側の情報によると、キリスト教徒らは地元当局が教会の拡張工事の中止を決定したことに抗議していたという。

 AFP通信の記者によると、現在争点となっている「聖母マリア・天使ミカエル」教会を多数の治安維持部隊が包囲している。

 エジプトの政府系通信社である中東通信によると、この衝突で93人の暴徒が拘束された。また、キリスト教徒の学生1人が太ももに銃弾を受け、救急手当てのために現場付近の「ウンム・マスリーン(エジプト人の母)」病院に運ばれたが死亡した。治安部隊の情報筋によるとこの青年は20歳くらいだったという。

 また、現場にいたAFP通信の記者によれば、デモ参加者らが顔を血まみれにして騒乱の現場から離れていったが、その際に「心血を十字架に捧げます」と叫んでいたという。

 近年エジプトでは、新たな教会建設、あるいは現存する教会の拡張問題に端を発する騒乱が頻繁に起きている。

 オスマン朝の時代から引き継がれてきた「フマユーン勅書」の名で知られる法は、共和国大統領の決定なしに新しく教会を建設すること、あるいは現存するいかなる教会をも拡張することを禁止しているが、[現在では]この大統領の権限は各県知事に委譲されている。

 エジプトの通信社によると、水曜の朝に集結したおよそ3000人のキリスト教徒からなるデモ隊は、建設を完了するための最終的な許可を得ず、また建設作業における技術・建築上の違反があったにもかかわらず、総合的な医療・社会サービス施設を建築し教会に変えてしまう工事を完成させようと試みたという。

 また同通信社は、デモ行進中に暴動を扇動し、市民や警察に対する暴力行為を主導した93人が逮捕されたとした上で、衝突の責任はコプト教徒側にあると伝えた。

(後略)

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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:20852 )