サラ・ジョゼフとのインタビュー
2010年12月05日付 Zaman 紙


サラ・ジョゼフ(39)は、イギリスで会計士の父とモデル事務所経営者の母の子として生まれた。カトリック教徒の家族のもとで育った。Askewモデル事務所の経営者である母、Valerie Askewさんは、ナオミ・キャンベルのようなモデルたちを世に送り出した。

ジョセフは、ロンドンのキングス・カレッジの神学・宗教学部で学び、16歳の時にムスリムとなった。人権活動家のバングラディシュ人、マフムード・アル・ラシード氏と結婚。Order of British Empireによって、2004年に宗教間の対話に貢献したとして、賞を受けるにふさわしいとみなされた。Power 100というイギリスの団体からは、イギリスにおける最も力のある100人のムスリムの一人に選ばれた。同時に、ヨルダンの王立イスラム戦略的研究センター、そしてワシントンにあるジョージタウン大学によって、世界における最も有力な500人のムスリムの一人に名を連ねた。2000年にイスラムの生活情報誌「エメル」誌を作ったジョセフは、国際メディア・シンポジウムに参加するため、12月10日にイスタンブルを来訪する。ジョセフは、62カ国に購読者がおり、読者の15%はムスリムではない人々からなる「エメル」をなぜ発行したのかについて、そして自身の人生について語った。

■あなたは16歳の時にイスラム教を選びました。この決定をどう行ったのですか?

家族は様々な(宗派の)キリスト教徒でしたが、私は信心深いカトリック教徒でした。常に神様を信じ、キリスト教徒であることは、信仰を表明するための私が知っている唯一の方法でした。信仰を実践するキリスト教徒として、宗教は私にとってとても重要なものでした。加えて、カルカッタのマザー・テレサから影響を受けて、教会に修道女として入ることさえ考えました。兄はムスリムの女性と恋に落ち、彼女と結婚するためにムスリムになりました。私には彼が魂を彼女のために売ったように感じられ、彼の改宗に対して敵対心を持ちました。多くの場合、他人への愛は神を愛する理由の一つになりますが、私の兄にとってはそうはなりませんでした。彼がムスリムになったことは、彼の人生に何の変化ももたらしませんでした。

■初め、あなたはイスラム教にどのように関心を持ち始めたのですか?

私は、イスラムについて調べ始め、イスラムではただ神のみを崇拝するのだということを学びました。イスラム教の全ての預言者を知り、彼らに対して敬意を感じることに気付きました。イエスは聖母マリアによって世にもたらされ、(イエスは)神の預言者の一人であることを、全てのムスリムが信じていました。(このことは)私に影響を与えましたが、ムスリムになりたいとは思いませんでした。キリスト教徒でしたが、しかし私の宗教(キリスト教)に対する信仰を失くしてしまいました。

■辛い経験だったでしょうね…

とても辛い経験でしたが、他の宗教に逃げたくはありませんでした。しかし、神に対する信仰はまったく失っていませんでした。祈り続けました。そして、段々と語は、自身を神に委ねるという意味であることが分かりました。これは、完全に私の求めていたことでした。

■イスラムは、あなたがムスリムになる以前に持っていた問に対して、段々と答えを出していったとおっしゃいました。それらは例えばどのような問ですか?

「イスラムにおける女性」のような人の関心を多くひく問には興味を持ちませんでした。それよりももっと、イスラムがアダムとイブに関して述べたこと、救いはどのように実
現されるのか、イエスはイスラムから見たら誰で、もし神の子でないならイスラムから見た彼との我々との関係はどうなるのかに興味を持ちました。イスラムはキリスト教とかなりの部分、似通っていましたが、相違する部分が私の宗教に対する関心を増加させました。

■ご家族はどのように受け取りましたか?

家族が私の決定を受け入れることはとても難しいことでした。そのとき私はたった16歳でした。後になって気がついたのですが、(家族は)私がムスリムであることで、共に悲嘆にくれ、私に対する希望は微塵も無くなってしまったのでした。私は、彼らにとって、常に大成功を期待される子供でした。そして、(私は)人々が保守・反動的なものと考えていた宗教に改宗したのです。自分自身をこれほどまでに制限しているときに、どうやって社会に対して有益で、成功した人間になれたでしょうか?加えて、スカーフもかぶっていました。母は、世界でもっとも良いモデル事務所の一つを有しており、私はその世界に関心がありませんでした。祖母にとっては、私は外国人になってしまいました。結果として、彼らは大変恥ずかしく思っていました。イギリスには、「宗教を服の袖に通す」という言い回しがあります。私は、その時、「宗教を頭にかぶった」のでした。

■彼らは、あなたをムスリムとして受け入れることができましたか?

この過程で、私はとても太りました。とてもストレスを受けました。最終的に、母に、「もし母さんと神様のどちらかを選ばなければならないなら、神様を選ぶ」と言いました。その後、彼女は、私が、時間、居場所、愛情を必要としていることを理解しました。彼女はそこまで執拗に改宗に反対しているわけではありませんでした。ムスリムになってから5年後、私の結婚式で愛する祖母が立ち上がり、500人の前で次のように言ってくれました。「彼女の生き方が好きです」。私にとってとても特別な瞬間でした。そして、最後には、私の宗教について彼らの承認を得ることができました。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:20865 )