どうしてこんなに高いものが売れるのか?
2010年12月13日付 Radikal 紙

世界的金融危機から完全に立ち直っていないヨーロッパ各国の自動車市場では大幅な減益が続く一方で、トルコでは乗用車の売れ行きが伸びており、特に海外メーカーの高級車の需要が大幅な増加にあり、高級車が「品切れ」となっている。

エーゲ自動車協会(EGOD)のムスタファ・イドゥー会長は、アナトリア通信の取材に対し、トルコでは自動車だけでなく、あらゆる高級品の消費が金融危機の現在でも増加傾向にあるとし、(景気の動向と)「反比例」していると述べた。「つまり、お金を持っている人のところにはどんな時代でもお金がある。金融危機の時代であってもチャンスをうまく利用し、有利な価格で購入している」と話した。

高級車がここまで売れている理由について、金融的保証、つまり経済的安定があると話すイドゥー会長は、ビジネスマンは自動車をレンタルするよりも60ヶ月といった長期間でローンを組む方を好むと話した。

イドゥー会長は次のように述べた:
「こうした安定状態が続く間は、売り上げはどんどん伸びていく。(この状況は)2011年になっても2010年とさほど変わらないだろう。国民投票の結果が2011年でも選挙において反映されると思われるからだ。現在の経済状況は2011年でも同様に続くだろう。乗用車についても高級車についても売り上げが落ちることはないだろう。トルコで購買環境が良好な間は、さらに売り上げが伸びることは明らか。ローンを組むことが容易な中で今の購入環境は今後も続くと考えている。」

また、来年総選挙が行われることについては、「来年の選挙は(現在の経済状況に)影響を与えないだろう。現在、シンジケートローンの借り入れ期間は長い。長期間の借り入れが可能なため、シンジケートローンの融資を受ける傾向にある。この資金を使って消費者に容易に融資することができる。この点で、2011年も販売が段々増加すると見込んでいる。」

イドゥー会長は、高級車の販売は昨年比トルコ全土で21%増、イズミルで27%増となっていると述べ、イズミルでの販売の伸びにはほかにも要因があることを明かした:

「(要因には)イズミルの資本ストックの多さがある。イズミルは、イスタンブルとアンカラに比べて、商業においてより強力な資本を所有している都市である。イズミルには不労所得がある。さらに、イズミルのビジネスマンは、保守的で安定を好む傾向があるが、富裕層が多い。イズミルは、トルコ自動車市場の収入の10%を占めている。昨年は8~9%を占めていたが、さらに増加した。自動車販売において、イズミルは常に最高級製品を売買している地域である。イズミルは実際に富裕層が多い。高級車が最も売れる地域の1つである。」

また、アウディー・ディストリビューター・エロズ自動車の販売責任者ムラト・オザン・オズチチェキ氏は、高級車について、最初の9ヶ月間で「最低限の見込みを上回る販売額となった」と話し、「さらに、海外メーカーはトルコにおける販売数値を見越した製品量を提供しきれなかったほど」と述べた。

オズチチェキ氏は、アウディー、メルセデス・ベンツ、BMWのような高級車(Eクラス)、最高級車(Fクラス)、軽自動車、普通自動車(Cクラス、Dクラス)をはじめとして、計2万6000台近くを売り上げたと語った。

■ 「2011年も自動車の売り上げは今年と同様の見込み」

オザン・オズシチェキ氏は、2011年の売り上げ予測に関する質問に対し、「自動車の売り上げは今年と同様の数値を見込んでいる。高級車が市場で占める割合をもう一回り増加させる。おそらく、3万5000~4万といった数値となるだろう。だが、累積利益は今年と大差はないと予想している」と答えた。

ヨーロッパの多くの国で高級車の売り上げが落ちている一方でトルコでは売り上げが増加している理由について尋ねられたオズチチェキ氏は、「競争価格とサービスの質における期待の変化がある。社会経済的条件の向上によって、もはや国民は、一定の値段を支払った際にその対価として質の高いサービスを期待している。先ほど挙げた自動車メーカーは、人々のこうした需要や期待に応えることができたメーカーだ」と述べた。

オズチチェキ氏は、高級自動車ブランドが、新しいモデルを発売する際にトルコでいち早く販売を行う理由について、人々が、社会経済的条件がよくなり、一部製品をいち早く利用したいと望んでいる点を挙げた。

高級自動車ブランドのジープに関する状況についての質問に対し、オズチチェキ氏は、「高級ジープにも強い需要がある。品切れの状態とも言える。私たちは現在こうした需要を満たしきれていない。私たちの製品は需要を満たす状態にない。多くの顧客にすぐに製品を引き渡すのは多少困難な状況。だが、現在品切れになっている自動車を顧客の需要に合わせて生産計画すれば、10週間~12週間の間には引き渡すことができる。2011年はさらに売り上げが増すと考えている。」

オズチチェキ氏は、最も売れた三大メーカーのうち、メルセデス・ベンツが全体市場において売り上げをいくらか伸ばしたとし、その理由について、トルコにおいて車種により税金で有利になる点を挙げた。「メルセデス・ベンツは価格設定において、多少有利な面がある」と言う。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20957 )