イスラム暦ムハッラム月10日を「アーシューラ休日に」―民族主義者行動党提案
2010年12月13日付 Milliyet 紙

民族主義者行動党(MHP)イスタンブル選出のアティラ・カヤ議員は、毎年イスラム暦のムハッラム月10日に当たる日を「アーシューラーの日*」として公式な休日に制定することを提案した。

カヤ議員がトルコ大国民議会(TBMM)に提出した法改正案は、「国民の祝祭日及び通常の休日に関する法」にさらに1項を追加することを提案している。この改正案に従えば、毎年、宗務庁が発表するイスラム暦ムハッラム月の10日目を「アーシューラーの日」と呼び、公式な休日として制定することになる。

提案書では、トルコの大切な美質の一つである社会の結びつきの強固さが提案の理由として挙げられ、次のように記されている。「宗教および国民の祝祭日には、社会の一体性の強化という点で非常に重要な機能がある。国民的・宗教的感情や信仰の強化、それらを生き生きと保つという機能の他に、社会の一体性と団結をもたらし、それらを各個人の意識に根付かせるという点においても、大きな重要性をそなえている」

提案書には、イスラム暦によるとムハッラム月はムスリムにとって特別な重要性を帯びており、イスラムの歴史の中で最も嘆かわしい事件の一つであるカルバラーの悲劇がこの月に起きたことにも言及され、次のように記されている。「偉大な預言者ムハンマドの孫であるフセインの殉教で幕を閉じたこの嘆かわしい出来事は、過去に捉われた復讐心や、原始的な政治的野望と人間的な欲求というものが我々に何をもたらすことになるかということを示したという点からも、戒めと敬意とともに記憶する必要があるものである。カルバラーの悲劇は、善と悪、抑圧者と被抑圧者、呪われたものと聖なるもの、闇と光の対決である。ここでフセインは聖なるものや、被抑圧者、光を表象している」

提案書では、「アーシュラー」はトルコにおいて共通の悲しみ、共通の過去、そして共通の未来を意味しているとし、ムハッラム月の10日を「アーシュラーの日」として公式な休日に制定することが要求されている。また「この制定は国民の間の愛、結束、寛容、平和に貢献することになるだろう」とも述べられた。


*アーシューラーの日:イスラム暦で1月にあたるムハッラム月の10日目。西暦680年のこの日にアリーの息子(ムハンマドの孫)フセインがウマイヤ朝軍に虐殺されるというカルバラーの悲劇が起こった。シーア派の人々にとってフセインは正当な統治者(3代目イマーム)であるため、シーア派ではフセインの殉教を悼み、この日に盛大な追悼祭を行う。トルコにおいては主にシーア派の一派であるアレヴィー派の人々にとって非常に重要な日である。意味合いが大きく違うとはいえ、スンナ派の人々にとっても宗教的意味のある日であり、トルコではこの日にアシュレという菓子が作られる。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:20962 )