「厚顔無恥な大使」:英国大使追放の動き、強まる
2010年12月13日付 Jam-e Jam 紙


学生ら、在イラン・イギリス大使館の前に集まり、同国大使の追放を要求

イギリス警察が木曜日に同国政府の政策に反対して抗議デモを行った大学生たちの逮捕を大々的に進めている中、サイモン・ガス駐イラン・イギリス大使は発表したコラムの中で、イランの人権状況を批判した。

 ファールス通信によると、サイモン・ガス氏は世界人権デーに際して在イラン・イギリス大使館のウェブサイトに発表したコラムの中で、世界人権デーを口実にイランの人権状況に疑問符を付けるという〔暴〕挙に出た。

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 イギリス大使は続けて、その干渉主義的な言論の中で、イギリス政府の提案として、弁護士や新聞記者たちの逮捕を止め、逮捕者たちに対して公正な裁判を行うようイランに求めている。

 サイモン・ガス氏が世界人権デーを口実にイランの人権状況に注文をつける一方で、現在イギリス本国では、多くの学生たちが、大学の学費値上げに反対した廉で同国警察の暴行を受けている。にもかかわらず、サイモン・ガス氏は本国で起きていることを無視してイラン内政に干渉し、対イギリス批判の波を引き起こしているのである。もちろん、イギリス大使が反イラン発言を弄するのは、これが初めてではない。

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 そればかりか、イギリス政府はイランの核研究者であった殉教者シャフリヤーリー博士へのテロ(これ自体、一種の人権侵害と考えられる)に関して、沈黙を守っている。

 さて、サイモン・ガス氏の最近のコラムに対し、国会の国家安全保障委員会のボルージェルディー委員長は「イギリス大使は大使としてのマナーを学ぶべきだ」と指摘する声明を発表している。

 アラーオッディーン・ボルージェルディー委員長は声明のなかで、イギリス政府によるイギリス人学生らへの暴行・傷害を非難しつつ、次のように述べている。「駐イラン・イギリス大使の任務は、二国間関係の構築ではなく、むしろ関係破壊にあるようだ。彼の表明した意見は、彼が大使としてのマナーを学ぶ必要があるという事実を写し出しているからだ」。

 ボルージェルディー氏の声明は続けて、「イギリス大使館のウェブサイトに掲載された同国大使の発言は、国際世論が同国〔=イギリス〕における著しい人権侵害を強く危惧している状況下で発せられたものだ」と指摘し、さらに以下のように強調している。「何千人もの無防備なイギリス人大学生らが野蛮な暴力を受け、残忍に攻撃され、男女問わず多くの学生が傷を負ったことは、学生としての要求を平和的に掲げる抗議学生らにいかに自由が与えられていないか、そして反対意見を許容する姿勢がいかに〔英国政府に〕ないのかを示す、明白な事例である」。

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 同氏はさらに「聡明なるイラン国民は、イラクからアフガニスタン、パレスチナ、レバノンにかけての地域でイギリスが数多くの陰謀を企ててきたこと、〔イランに対する〕国際的な制裁でイギリスが破壊的かつ中心的役割を果たしてきたこと、そして最近のジュネーブ協議でも破壊的役割を演じてきたことをよく分かっている。〔‥‥〕このことを、サイモン・ガスはきちんと理解すべきだ」と強調している。

イギリス大使追放の要求

 こうしたなか、国会の〔国家安全保障外交政策委員会の〕外交部会の部会長はイギリス大使の追放を検討するよう、外務省に求めた。

 ファラーハトピーシェ氏は、領事・外交上の経験からすると、現在のイギリス大使は不適当分子に成り下がっていると指摘した上で、「外務省はサイモン・ガス駐イラン・イギリス大使の追放を真剣に検討するべきだ」と述べた。

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来週の日曜日、国会で「対イギリス関係レベル引き下げ法案」が検討

 イラン国会の国家安全保障外交政策委員会の報道官は、「来週の日曜日、本委員会の最初の会議で、《対イギリス関係引き下げ法案》が検討される予定だ」と明かした。

 カーゼム・ジャラーリー氏は「駐イラン・イギリス大使の度重なる無作法、外交的マナーの不順守、ならびにイギリスの一部政府関係者によるイランへの内政干渉、特にシャフリヤーリー博士の殉教を結果した〔MI6の〕サワーズ長官による干渉・威嚇、さらにはイギリス政府系メディアBBCが利己的な動きを見せて、〔2009年大統領選後の〕内乱騒ぎの一翼を担ったことなどに鑑みるならば、イラン・イギリス関係のレベル引き下げも止むを得ないように思われる」と語った。

大学生ら、イギリス大使館前で抗議集会

 他方、昨日テヘランの大学生らは、イラン核科学者らへのテロに抗議する集会を在イラン・イギリス大使館前で行った。「テヘラン8大学学生バスィージ」によって開かれたこの集会では、テロリストらによって殉教した殉教者アリーモハンマディーや殉教者シャフリヤーリーの肖像画が掲げられた。

 大学生らはまた、「アメリカはイランの大いなる敵、イギリスはイラン国民にとってもっとも汚らわしき敵」などのスローガンが書かれた手書きのプラカードを掲げた。

 大学生らは集会の続きで、アメリカとイギリスの国旗に火をつけ、「おお、アボル・ファズル〔※第三代イマーム・ホセインの異母兄弟のアッバースのこと〕よ」及び「おお、ホセインよ」と書かれた旗を掲げながら、殉教者シャフリヤーリー・テロ事件への調査を要求した。

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(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:須川美保 )
( 記事ID:21012 )