ロシア資本アンタリヤの最高級ホテル、電気代滞納で電気ストップ
2010年12月21日付 Hurriyet 紙

世界一高級なホテルに選ばれ、アゼリー系ロシア人実業家テルマン・イスマイロフ氏が15億ドルで建設したアンタリヤのマルダン・パレス・ホテルは、3,735,000トルコリラ(約2億542万円)もの電気料金未納で電力の供給が止められた。開業式で、シャロン・ストーン、パリス・ヒルトン、マライア・キャリー、モニカ・ベルッチ等の著名人を歓待した同ホテルの電気は、自家発電機で賄われ始めた。マルダン・パレス・ホテル総支配人であるジュムフール・オゼン氏は、当該問題は早急に解決されるであろうと伝えた。

アンタリヤのクンドゥ地区にて、テルマン・イスマイロフ氏により、15億ドルで建設され、今年度の「観光業界のオスカー賞」とも称されるWorld Travel Awards 2010で「世界一高級なホテル」に選ばれたマルダン・パレス・ホテルは、電気料金未納のため電力の供給が止められた。
18万平方メートルの敷地に、(総合計)1万平方メートルにおよぶ金箔やクリスタルがふんだんに使われた建物からなるマルダン・パレス・ホテルは、3,735,000トルコリラ(約2億542万円)の電気料金未払いのため、アンタリヤ電力(AKEDAŞ)によって電力の供給を止められた。開業式でハリウッドスターのシャロン・ストーン、マライア・キャリー、モニカ・ベルッチ、そしてパリス・ヒルトンといった有名人を歓待したホテルでは、現在自家発電によって電力が賄われている

■ 「分割払いに応じます」

アクデニズ電力会社(AKEDAŞ)社長のアフメト・ハムディ・ソイル氏は、同社が160万人の加入者を有しており、一部の顧客が時折支払いに窮する場合があると伝え、以下の様に述べた:

「そういった枠組みで考慮すべき問題です。ホテル側は、トルコに対して投資を行い、工事を施工したのですから、丁重に扱われるべきです。トルコとして今回のことは考慮されるべきです、ロシアではなくトルコに投資をし、建設に取り掛かり、数々の業界に利益をもたらしたと聞きます。ホテルでは電気が普通に使えますが、我々の社が送電しているものではありません、ホテル側の電気です。顧客に対しては、要望があれば、分割払いに応じます。この間送電をストップさせて頂いております。トルコには財政的問題を抱えているホテルがあります。これらは起こりうる事であり、適切に対処されねばなりません」

■ 支払われなければ強制執行

月額約40万-50万トルコリラ(約2200万円―2750万円)の電気料金を支払うマルダン・パレス・ホテルは、以前、AKEDAŞに150万トルコリラ(約8250万円)の電気料金を滞納したため、分割払い手続きに入り、10万トルコリラ(約550万円)を支払った。同ホテルは、9月に50万4千トルコリラ(約2772万円)、10月に89万7千トルコリラ(約4933万円)、11月は、56万6千トルコリラ(約3113万円)、そして12月には40万6千トルコリラ(約2233万円)の電気料金を支払っていない。これに伴いホテルが滞納した電気料金総額は、利子を含めて、3,735,540トルコリラ(約2億545万4700円)まで上昇し、3日前にホテルへの電力の供給はストップした。ストップ後に、同施設の発電機が作動した。AKEDAŞが、滞納の電気料金を支払うようホテル経営陣に3週間の猶予期間を与え、この期間を超えても支払いがなされなければ、ホテルに強制執行がなされるという。

■ 「早急に解決されるでしょう」

AKEDAŞにより電力供給が停止したことを確認したマルダン・パレス・ホテル総支配人のジュムフール・オゼン氏は、現在、発電機により電気が確保されていると伝えた。ホテルの宿泊客に何ら不都合はないとする同氏は、以下の様に述べた。

「これは誰にでも起こりうることです。一般市民でも、電気代を滞納した時には電力が止められます。市庁舎においても同様です。当然、人々の話題となり、盛大な開業式で評判となったマルダン・パレス・ホテルにてこのようなことが起こったときに、人々の注目を引くのはごく当然です。ですが、私共は、誰からも援助を受けることなく、トルコに対して、これほどの大投資を行いました。このことを誰にも忘れてほしくないのです。今回の電気料金の問題は些細な問題です。早急に解決されるでしょう。昨年、我々が支払った電気料金総額が770万トルコリラ(約4億2350万円)であることを忘れてはなりません。今日まで、770万トルコリラの電気料金を支払ったマルダン・パレス・ホテルに関しては誰も報道せず、今回のこの状況に関し、偏向的な報道がなされました。これらは、一時的な問題です。我々一同は、全社員、企業オーナーらと共に、同ホテルを信じ、信頼しております。我々の業務は継続する予定です。当然、冬季もオープンしております。そもそも、同ホテルが冬季にオープンしていることで、発生した落とし穴です。これを早急に解決いたします。860名の従業員を支えるためならば、こういった状況に陥ろうとも、我々は恥じることはありません。860名の従業員を解雇すれば、滞納の電気料金を難なく支払うことができました。再度、財政的困難を引き起こすことはありません。再び、財政的困難を引き起こすことはないでしょうし、電気料金は支払われるでしょう。しかし、支払遅延があったのです。これに関しても早急に解決いたします。従業員を解雇するより、こちら(電気料金支払い遅延)を選択したのです。これをどう判断するかは、世論に委ねます」

■ ホテルの特色

アゼリー系ロシア人実業家のテルマン・イスマイロフ氏が保有するAST 1989グループの、トルコでの最も重要な観光投資であるマルダン・パレス・ホテルは、18万平方メートルの敷地を有し、イスタンブルの歴史的建造物から着想を得て建設された。

3年半前に工事が施工され、2009年5月23日に営業開始した同ホテルは、イスタンブルのボスフォラス海峡の形にデザインされ、16,000平方メートルの世界最大のホテル屋外プールを保有する。屋外プールを取り囲む水路では、宿泊客が「スルタンのゴンドラ」で往来できるようになっている。

イスタンブルのボスフォラス海峡型のプールでは、実際の海峡をまねて、ヨーロッパ側とされる側にある建物にはオルタキョイ地区やアルナヴトキョイ地区にある建造物の特徴を持たせ、一方同アジア側とされる方に配置した建物には、クレリ軍事高校やトルコの伝統的家屋の建造物の特徴を持たせている。プール中央には乙女の塔がある。

7階建ての本館の各階には、様々な国の料理がふるまわれるレストランとカフェバーがある。同ホテルには世界的に有名なクラフス社デザインの7,500平方メートルサイズのスパが備わっている。

1200名の従業員を抱える同ホテルは、キングスイートルーム4室を含む560室、メインレストラン並びに世界各国の料理をふるまう計11のレストランと11のカフェバー、希少価値の高いワインが貯蔵されたワインセラー、そして、それぞれ収容人数1,200名と800名の2つのパーティー会場で話題を集めている。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:21024 )