中東・中央アジア首脳イスタンブルに集結―経済協力機構サミット
2010年12月23日付 Zaman 紙


 中央アジアと中東の諸国を包括する経済協力機構(EİT)の首脳サミットが昨日(23日)、イスタンブルで開催された。

首脳会議には7ヶ国の首相と各国の外相が出席した。本会議では、経済協力の発展、地域における繁栄と安定の確保に関し、合意が行われた。アブドゥッラー・ギュル大統領は、イスタンブル、テヘラン、イスラマバードを結ぶ鉄道システムの改善と、経済協力機構加盟の全国家とヨーロッパを結ぶ鉄道網の敷設を呼びかけた。ギュル大統領は、まだ同意を参加していない加盟国にも、経済協力機構商業・開発銀行(ECOBANK)への参加を促した。

経済協力機構(EİT)は、1985年にトルコ、イラン、パキスタン間の協力関係の発展を目的に設立された組織であり、ソ連崩壊によって中央アジアの諸国家をも包括するようになった。昨日23日、同機構の第11回政府・首脳サミットが多数の出席者によって、イスタンブルのチュラアン宮殿で開催された。サミットには7ヶ国の首相と各国の外相が出席した。ギュル大統領は開会の辞で、本機構の活動をより活発にし、関係地域において具体的な計画が実行されることを期待すると述べた。そして、貧困と飢餓の撲滅、全ての人への初等教育の提供、出産に伴う死亡事故の減少等の目的では、参加各国が十分な改善を行えなかったと自己批判をし、今後、目標達成に尽力されるべきであると表明した。ギュル大統領は、加盟諸国の間の地域的な通商や民間部門の企業拡大が、地域の全土に繁栄と安定をもたらすと強調した。

ギュル大統領は、2010年の今年、イスタンブル、テヘラン、イスラマバード間の貨物列車の定期運行計画で重要な一歩が踏み出されたとし、鉄道路線の使用によって、洪水災害時にパキスタンへ援助を行うことができたことに言及した。「イスタンブル、テヘラン、イスラマバードを結ぶ鉄道の改善と、全ての経済協力機構加盟国家を鉄道網でヨーロッパとつなげることが、本機構の優先事項となるべきである」と語った。大統領は、経済協力機構の通商協定が5ヵ国によって承認されて2008年から実行に移されたことを、地域の経済統合における端緒となる出来事として評価し、他の諸国へ参加を求めた。加えて、協力機構の創設国であるトルコ、イラン、パキスタンによって設立された経済協力機構商業・開発銀行(ECOBANK)への加盟諸国の参画を呼びかけた。サミット後の声明では、2011年中に、イスタンブル、テヘラン、イスラマバード間の同じ方式で、イスタンブルとアルマトイ(カザフスタン共和国南東部の都市)間の鉄道の運行が始まることが明らかにされた。キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコを通り、中国とヨーロッパを結ぶ鉄道路線と地域の鉄道路線が、経済、そして歴史的な絹の道を復興させるものとなると強調された。

■ アゼルバイジャン大統領アリエフに誕生日祝い

ギュル大統領は、一昨日の夕刻、大統領のもとへ訪れていたアゼルバイジャンの大統領イルハム・アリエフにECOBANKへの加盟を呼びかけた。アリエフ大統領は、国内金融の発展が進んだと述べ、同銀行への加入を希望する旨を申し出た。ギュル大統領は、今日、49歳となったアリエフ大統領の誕生日を祝福した。アリエフ大統領は、家族や親しい友人たちを招待して誕生日を(イスタンブルで)祝うという。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:21039 )