イラン・アフマディネジャド大統領がトルコ語を話せること判明
2010年12月24日付 Milliyet 紙


イランのアフマディネジャド大統領がトルコで開催された経済協力機構(EİT)サミットの後に記者会見を開いた。会見では大統領にアクシデントが次々と起きた。

まず、ホール入口に飾ってあったイランの宗教指導者(最高指導者)であるアリー・ハメネイ師の写真が落ちた後、通訳がいなくなるというハプニングが生じた。

記者会見で、トルコ語の質問をペルシア語に訳す仕事をしていた通訳の耳に、断続的に英語の声が入ってくるや、通訳は突然その場を離れてしまった。

このことに戸惑った大統領は、トルコ語を話し始め、その場にいた者たちをも驚かせた。「通訳はとても疲れていたようです」と話し始めたアフマディネジャド大統領のトルコ語は、とても上手なトルコ語であることが判明した。


イランのアフマディネジャド大統領は、(NATOの)ミサイル防衛網計画が、イラン・トルコ関係にいかなる影響も与えないと語った。

アフマディネジャド大統領は、各国政府首脳が参加する経済協力機構(EİT)の第11回サミットの後に開かれた記者会見で、新聞記者たちの質問に応じた。一人の記者が「エルドアン首相と重要な会談を貴方達は行いました。来月にもイスタンブルにおいてイランの核計画に関する会議があります。昨日の会談で来月の会議は議題としてとりあげられたのでしょうか?またイランがこの問題を収拾する見通しはありますか?」と質問した。これに対しアフマディネジャド大統領は、「正義を望む者たちが、イラン国民の法的権利を守ってくれています」と答えた。

アフマディネジャド大統領は、「この問題はトルコにおいて具体化してきました。イラン国民は、法と正義の他は何一つ望むことはないでしょう。(問題)解決のためにイスタンブルで開かれる会議は、非常に良い会議であり、また歴史的な会議となることを願っています」と語った。

アフマディネジャド大統領は、この問題において協力することは、全ての人にとって有益となるであろうと強調し、また以下の様に続けた。「この対立が一転して協力へと向かってくれるといいのですが。イスタンブルでの会議は歴史的な好機です。私たちは、この大きなチャンスをものにするために、私たちは準備しています。」

この問題がイスタンブルで、しかも友好国であるトルコで論じられることに、私たちは嬉しく思います」と述べた。

トルコとイラン、そしてアゼルバイジャン関係に関する質問にも、アフマディネジャド大統領は答え、この三カ国間においては、共通の文明や文化等、多くの共通点があると指摘した。

アフメディネジャド大統領は、これらの国々の関係が友好的で、非常に多面的で、そして長きにわたって継続していると述べ、次のように続けた。「トルコとイラン、そしてアゼルバイジャンの協力関係が発展することは、三カ国それぞれの国民と地域、また世界の平和と安全にとっても有益なことです。」

「ミサイル防衛網計画」についてどう思うかという質問に対し、アフマディネジャド大統領は、ミサイルや核使用などは、政治の世界ではすでに使い古された話題であると述べ、そして「現代は人類の思想や文化の時代です。ミサイルによって、思想や文化を妨げることは出来ません。」

「資本主義者らが恐れていることは、人道的な考えが広まることです。彼らの思想水準は、文化や文明の仔細を見ることができないほど低いのです。」

「私たちは心配していません。世界において何千のミサイルが製造されても、諸国民の意思や自由、そして正義を遮ることは出来ないと、私たちは確信しています。(また)このことが、イラン・トルコ関係に影響を及ぼすことは決してありません」と述べた。

アフマディネジャド大統領は、イランに適用されている禁輸措置に関する質問に対し、禁輸措置に賛成する者たちは、「政治的に遅れている者たちである」と語った。

アフマディネジャド大統領は、イランのような大国の経済とは内部完結型経済なのであると述べ、以下のように続けた。「発展するために、ヨーロッパとアメリカの経済は私たちに必要ではないのです。禁輸措置が行われて以来、私たちは発展の速度を上げてきました。」

「禁輸措置を私たちは全く重要視していませんし、私たちに決して影響を及ぼしてはいません。彼らは私たちの経済にダメージを与えることを望んでいたのに、彼ら自身の経済がダメージを受けたのです。これはアッラーの御業です」と述べた。

イランにおいて行われた最近の天然ガスとガソリン価格の引き上げが、禁輸措置に関係があるかないかを質問されたアフマドネジャド大統領は、経済計画がイラン経済にとって発展要因となっていることを、また社会の必要に応じて調整されていることを述べ、この価格引き上げが禁輸措置とは全く関係がないことを付け加えた。

■ ウィキリークスの情報公開について

アフマディネジャド大統領は、「ウィキリークスの情報で、イランに関し、幾つかのアラブ諸国の指導者達の批判的でさらには攻撃的な言葉がありましたが、このことに関する貴方の見解をお聞かせ下さい」との質問をうけた。これに大統領は「私はテヘランですでに、このことについて答えました。これが、前もって仕向けられていた情報公開だと私たちは信じています。私たちは、アラブ諸国と友好的で、また共通する文化や信仰もあり、そしてお互いに友好的に共存し続けねばなりません。この情報公開は、国家間や国民間の敵対関係の理由になりえません」との返答を与えた。

最近のトルコの外交施策に関する見解を質問されたアフマディネジャド大統領は、トルコが何物にも縛られない確固たる態度を有していることを述べ、さらに「トルコとトルコ国民には次のような権利があります。すなわち、全ての国と関係を築くという権利、とりわけ隣接する国家やその国民とです。このことが東方への回帰とみなされることは良いことであって悪いことではないのです。東洋の人々は、トルコが東に目を向けることを良いことだと歓迎するでしょう。これは、トルコが他の国々との関係をなくすということを意味するのではありません。東西南北全ての国々と関係を維持していくことが可能なのです」と答えた。

アフマディネジャド大統領は、アゼルバイジャンとアルメニアとの間にあるナゴルノ・カラバフ問題に関する質問に対し、「私たちは、全ての国々が抱える諸問題が、正義と対話によって解決されると信じています。イランとアゼルバイジャンとの関係は深く、兄弟のようであり、歴史に基づく強力な関係です。私たちはアゼルバイジャンの人々の法的権利を支持します。私たちはアルメニアとも、良い関係を持っています。この件で私たちが出来うる支援を伝えてあります」と返答した。

■ モッタキ外相の罷免について

アフマディネジャド大統領は、マヌチェヘル・モッタキ外相が罷免されたことに関する質問に対して、イランで指導部改革が行われることは極めて当然であると述べ、また以下のように言葉を続けた。「モッタキ氏は、私たち政府が敬愛する人物です。問題があると私は思っておりません。モッタキ氏とは少し前に私は会いましたので、彼自身が罷免されることを知らされていなかったとの発表は正しくありません」と述べた。

モッタキ氏の罷免が、5プラス1(国連安全保障理事会常任理事国+ドイツ)の国々と行われる予定の交渉を難しくさせるだろうとの見解に関しても、アフマディネジャド大統領は、「イランの外交政策は磐石です。担当者が変わったからといって、私たちの政策が変わることはありません。」

サリーヒ氏(新外相)はよく知られた人物であり、経験豊かな外交官です」とコメントした。

韓国と北朝鮮の間で生じている問題に関する質問に対しても、アフマディネジャド大統領は、世界中の全ての地域の、とりわけ東アジアの国々が、平穏無事に共存していくことが必要であると明らかにした。そして両国には共通点があること、何か問題となるような要因は見当たらないと述べた。

アフマディネジャド大統領は、両国政府首脳に自制ある行動を呼びかけ、そして対話と友好的な雰囲気のなかでは解決出来ない問題などない、と述べた。

パレスティナ問題に関する質問に対してアフマディネジャド大統領は、「この問題解決に取り組んでいる諸勢力が、正義と人権を尊重しない」ために、60年もの間問題が解決されてこなかった、と返答した。

アフマディネジャド大統領は、「パレスティナの人々の法的な諸権利が正式なものにならないなら、また正義が諸問題の解決の土台にならないのなら、全ての計画は失敗するでしょう。パレスティナの人々の独立は認められていると常に我々は述べてきました。パレスティナの人々が自由選挙によって自身の将来を決めることを望んでいます。これらは国民の基本的権利なのですから。しかし彼らはこの法的な権利を受ける代わりに、単にシオニスト達の諸利益を守る方法に頼りたがっているのです」と述べた。

■ 記者会見雑記

記者会見でアフマディネジャド大統領が座っていた机の両端に、イランの宗教指導者であるフメイニ師とハマネイ師の写真が置かれていた。

記者会見に参加する予定の多数の地元および海外メディア関係者が、服と鞄の中身をチェックされて記者会見場に入る一方、記者会見場の中でも、警察犬によるセキュリティーチェックが行われた。

アフマディネジャド大統領は、記者会見終了後、Vサインをして会場を去った。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:21045 )