2011年の公定最低賃金、発表―16歳以上月630リラ(33000円)
2010年12月29日付 Milliyet 紙

新しい最低公定賃金が政府と雇用者側の多数決で決められた。トルコ労働組合連盟(Türk-İş)はこの決定に同意していない。また連盟は、この決定に反対のコメントを出した。新しい最低賃金は2011年1月1日から適用され、16歳以上の人は手取り629.96リラと発表された。最低賃金調整委員会は来年施行される予定の最低公定賃金を決定した。今回は上半期4.7%、下半期5.1%値上げされる。2011年の最低賃金は平均10.1%値上げする。これによれば、16歳以上の人の最低賃金は2011年元旦から総額796.50リラ、手取り629.96リラと発表された。16歳以上の人の最低賃金は、下半期には総額837リラ、手取り6555.57リラに達する。また16歳未満の人の最低賃金の場合、上半期は総額679.50リラ、手取り546.20リラとなり、下半期は総額715.50リラ、手取り571.97リラに達する。
政府は、最低賃金調整委員会で最低賃金の来年上半期4.7%、下半期4.1%の値上げを提案した。しかし労働者側はこの提案を受け入れなかった。

■トルコ労働組合連盟(Türk-İş):「不十分である」

トルコ労働組合連盟(Türk-İş)教育書記長のイサ・ギョク氏は「発表された最低賃金は不十分であり、この国の今日的条件下で『人間らしく生活するレベル』を維持するにはまだ遠く及ばない」と述べた。ギョク書記長は、新しい最低賃金の発表後、労働社会保障省で行った会見で、最低賃金調整委員会において労働者側を代表して、最低賃金が国際法や国内法の枠組みの中で決定されるよう力を尽くしたと述べた。

ギョク書記長は、最低賃金は労働者とその家族が今日の経済的、社会的条件下で人間らしく生きることを可能にし、人間としての尊厳をたもちながら暮らしていけるだけの額である必要があると強調した。そしてこのために最低賃金の決定において、生活を維持するための条件が考慮されること、トルコ統計協会(TİK)のデータを利用すること、労働者の家族を含めて計算すること、学術的データに基づき計算された手取り額が全てきちんと労働者に支払われるようにすること、決定において、最も低い公務員の賃金が考慮されること、富の分配がおこなわれることを要求したと述べた。

ギョク書記長は、トルコ統計協会が一人あたりの生活に必要であると算出した手取りの合計額は900.9リラであると指摘し、委員会の前に国の公的機関が提示したこの数字を考慮にいれることが必要だと述べた。

委員会に提出されたレポートにおいて、政府は世界的な経済危機の影響が、講じられた対策によって回避されたと説明していることを指摘したギョク書記長は次のように述べた:「しかし、労働者は家族と共に再び人間に相応しくない、貧しい生活を送る状況に追いやられてしまった。決定されたこの最低賃金は国で施行されている経済政策や社会政策の重要な指標である。政権と雇用者の労働者に対する姿勢を反映している。最低賃金調整委員会の雇用者-政府側を代表して多数決で決めた最低賃金には私達は同意していませんし、労働者側を代表して反対しています。」サリム・ウスル「トルコ真の労働組合」連盟(Hak-İş)会長は、連盟の計算によれば2002年に総額250リラであった最低賃金に、長年のインフレと国民総生産の値を加味すると、現在の最低賃金の総額はおよそ1000リラほどになる必要があると述べた。

労働総局のアリ・ケマル・サユン総局長も、提示された新しい最低賃金の値上げの割合に関して、「この割合は残念ながら多数決で決められる。労働者側と共に力を尽くしたが、共同決定はなされなかった。おそらく彼らが参加したらこの賃金は確実に上がっただろう」と述べた。

トルコ雇用者組合連盟(TİSK)会長アリ・ナフィズ・コヌク氏は国運を担うこの数字を明示するために力尽くしたと述べた。
コヌク氏は、最低賃金の決定は三方で調整することが望まれていたのにもかかわらずこれが守れなかったことを述べた。そして、雇用者側として最低賃金を決定するために犠牲を払ったとも述べた。

■「最低賃金」抗議で逮捕

この間、最低賃金調整委員の会議の最中、「最低賃金で働く者も会議に参加する必要がある」と主張したトルコ革新労働組合連盟(DİSK)に属する革新健康労働組合の組合員が中に入ろうとした。警察が阻止したのにもかかわらず侵入した6名は「最低賃金は4千万人に関わることである。この賃金では生活できない。どうして私達はこの会議に参加できないのか。私達も会議に参加する」と主張し、庁舎の庭の周りの鉄柵を越えて庭に侵入した。
これを阻止した警察は6名を逮捕し、署に連行した。拘束する時に、警察と捕まった6名との間で短い間衝突が起きた。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:21079 )