ドラマ「落ち葉」涙の最終回-架空の鉄道登場でも予期せぬ反響
2010年12月30日付 Milliyet 紙


ドラマ『落ち葉』の最終回で、鉄道が通っていないトラブゾン行きの乗車券が購入されていたことをうけ、ドラマを見ていた一部の視聴者が、午前中からトルコ国営鉄道(TCDD)の駅からトラブゾン行きの列車が出ているのか問い合わせを始めた。

■ 最も喜んだのはトラブゾン住民

トラブゾンの住民は、ドラマの後、この事件をチャンスに変える道を探っている。トラブゾン地元メディアはこの事態に大きな関心を寄せている。(鉄道敷設を呼び掛けている)トラブゾン-エルズィンジャン鉄道プラットフォームはこうした事態が起こったことにとても喜んでいる。

およそ4年半にわたり放送されたドラマ『落ち葉』の昨晩放送された最終回の中で登場人物の“シェブケト”がターミナルに行き、「インターネットで大人3枚、学生1枚、予約しました」と言い、購入した乗車券でトラブゾンに向かうため列車に乗ったシーンが、インターネットの世界で議論を呼んだ。

この最終回に関し、インターネット上のサイト「www.trabzondanbak.com」に「この機に乗じよう」という見出しで掲載された解説には、トラブゾンに鉄道はないことが明記され、次のように書かれている。

「ドラマの最終回で、アリ・ルザー・ベイの家族がイスタンブルからトラブゾンへ列車で戻っています。しかし、元となる小説が書かれた時も、ドラマが撮影された時期にもトラブゾンに鉄道は一切ありませんでした。脚本家が、脚本の冒頭でもアリ・ルザー・ベイと家族をトラブゾンからイスタンブルへ列車で来させていることがわかっています。脚本家のこの間違いは、トラブゾンに鉄道が通っていないことを知っている人たちからは笑われました。」

また別のニュースサイト「www.trabzonunsesi.com」に「大失態 見逃されず」との見出しで掲載された記事では、次のように報道された。

「『落ち葉』の最終回で(製作時に)見逃されたひとつの失態が注目を集めた。大人気ドラマは予想どおり、悲しい場面で終わった。このドラマでは、ここ何年か、感傷的なトーンが強まっていたが、最終回もまさに感傷的なものとなった。とくに、ドラマ中でアリ・ルザーという名前の父親のキャラクターを演じたハリル・エルギュンが死ぬシーンは見ていた視聴者の涙を誘った。物語中、数々のドラマや苦しみを経験するテキン一家は、この最後の事件で最終地点に着いた。アリ・ルザー・ベイの死によって、一家はトラブゾンに戻ることを決めた。しかしドラマの脚本家らはここで重大な失態を犯した。最終回終盤ごろ、一家はハイダルパシャターミナルを訪れ、列車に乗るためイスタンブルに残る人たちに別れを告げる。別れの前にシェブケトは、乗車券売場に行き『トラブゾン行き大人2枚(原文のママ)、学生1枚』と言い乗車券を購入した。売場係員は乗車券を用意しシェブケトに渡し、時間が少なく、列車は間もなく出発することを告げた。問題の失態はここにあった。なぜならトラブゾンには鉄道も通っていなければ列車の運行もない。」

ドラマ関連サイト「www.haber61.net」では「『落ち葉』でトラブゾン列車事件」との見出しの記事で、ドラマ『落ち葉』の中でトラブゾンに関する非常に重大な失態があったことが報じられた。

■トラブゾン行きの乗車券購入を希望

AA通信がトルコ国営鉄道関係者から得た情報によれば、ドラマ放送の直後からアンカラ駅へ4名、ハイダルパシャ駅へ6名が電話をかけ、トラブゾン行きの乗車券を購入したいと伝えたという。

列車駅が移住や別れにあたり重要なシンボルとなっていると指摘するトルコ国営鉄道関係者は次のように述べた。

「近年の鉄道に対する投資により、鉄道産業は主要セクターとなりました。超高速鉄道プロジェクトは広がり始めています。こうした状況は列車への関心を高める要因となりました。また、列車は見た目の点からも非常に素敵な乗り物です。人々のあいだに列車への認識が高まっています。近年、人々は列車に対し非常に大きな関心を寄せているのです。」

■トラブゾン-エルズィンジャン鉄道プラットフォームは、この事態に大喜び

一方、(鉄道敷設を呼び掛けている)トラブゾン-エルズィンジャン鉄道プラットフォームのメンバーらがドラマの脚本上のこの間違いに喜んでいることがわかった。

プラットフォームメンバーのアフメト・サル氏は、この事件がトラブゾンの偉大さを示したと述べ「トラブゾンは(行政上の)広域市ではありませんが、皆が私たちの市を広域市だと思っています。ドラマでの間違いは素晴らしいものでした。この先、私たちの市に鉄道が通ることを願っています」と話した。

プラットフォームのメンバーのムアフェル・エルミシュ氏は、トラブゾンが世界と一体となるためには鉄道が「ないことはあり得ない」と述べ「ドラマは私たちが実現を計画している事実を脚本として現実にしました。おそらく脚本家になにかがインスピレーションを与えたのでしょう。この鉄道が実現されることを望んでいます。ドラマでこのようなシーンがあったことで私たちは喜んでいます。鉄道の実現が私たちの最大の夢なのです。このためにできる限りを尽くします」と話した。

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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:21093 )