独外務省「歴史を教えてもらわなくていい」―エルドアン首相の反論に再反論
2011年01月12日付 Hurriyet 紙

ドイツ政府のシュテフェン・ザイバード報道官は、キプロス問題が解決しないのはトルコ側に責任があるとしたアンゲラ・メルケル独首相の説明に反発を示したレジェプ・タイイプ・エルドアン首相をはじめとする、トルコ側、および、北キプロス・トルコ共和国関係者に返答した。ザイバード報道官は、「メルケル首相は(キプロス問題に関する)歴史を教えてもらう必要はない」と述べた。

ザイバード報道官は、今日首都ベルリンで行われた毎週の定例記者会見で、「アナン・プラン(注)がギリシャ系キプロスの人々に拒否されたことをドイツ首相が知らなかったという主張は間違いです。彼女はこのことをとてもよく知っています。この件に関してはギリシャ系キプロスの指導者ディミトリス・フリストフィアス大統領とも話しました。このことに関する歴史を教えてもらう必要はありません」と述べた。

(注)2004年に、国連のコフィー・アナン事務総長(当時)によって提唱された国連提案。南北同時に住民投票が行われたが、ギリシャ側キプロスの反対により、棄却された(トルコ側キプロスは、賛成)。

ザイバード報道官は、「メルケル首相はキプロスでの会談中に、(ギリシャ側、トルコ側の)両者にとって、約36年半にわたって不利益を生み出しているこの難しい問題は、両者がクリエイティブに、そして歩み寄る勇気を見せることで、はじめて解決されるものであると述べました。トルコ側とギリシャ側双方ともが、この勇気を示す必要があります。トルコの首相(レジェプ・タイイプ・エルドアン)の発言は、彼に十分な情報が伝えられなかったためのものでしょう」と語った。

メルケル首相の(キプロス)訪問の間、トルコのEU加盟交渉において新たな交渉項目での折衝が始められるかどうかに関する話が出たかどうか、という質問に対しザイバード報道官は、「キプロス訪問の目的はEU加盟交渉に関することではなく、分断されたキプロスを自身の目で見ることであり、この問題の解決策を見出すことだった」と述べ、「キプロス島に関係するいくつかの話題が取り上げられたが、大きな政治問題解決のためには両者が勇気とクリエイティブな姿勢を示すことが条件である」と語った。

ザイバード報道官は「ドイツ人として分断は乗り越えられるものであると考えており、メルケル首相は、ヨーロッパおよび国際関係のなかで、この問題の解決がEUと北大西洋条約機構(NATO)の関係の観点からも重要であると説明した」とし、「キプロス問題の解決を望み、解決プロセスを支持するのには多くの理由がある」と述べた。

■「エルドアン首相がメルケル首相へ教える必要はない」

ザイバード報道官は、エルドアン首相にどういう情報が十分に伝えられていなかったと考えるのかという質問について、「トルコの首相が我々ドイツの首相に対し、アナン・プランをどちら側が受け入れなかったのかを教える必要はないということをお伝えしただけです。メルケル首相は、キプロス問題について徹底的に検討しました。トルコ側とギリシャ側双方の大学の学生とも会見しました。解決のために両者に勇気を示してほしい。この問題は外部からの干渉では解決されません。キプロスの双方によってのみ解決されるのです」と述べた。

ザイバード報道官は、「メルケル首相は、1974年にトルコ軍が北キプロスを占領し、トルコから多くのトルコ国籍者が島へ移住していることをご存知です」と述べ、「首相はキプロスの状況にとても関心を示しています。長期間にわたりヨーロッパに分裂した国があるという事実を我々は受け入れられません。キプロスの人々もこの状況を不満だとしています。特に島の北側に暮らしている人はこの状況から悪影響を受けています。ドイツはこの分断を乗り越えるためあらゆる努力を惜しまないつもりです」と述べた。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:21163 )