ガラタサライ新スタジアム華々しい開幕式典、首相へブーイング事件が影落とす
2011年01月15日付 Hurriyet 紙


ガラタサライの新しいスタジアム・チュルクテレコム・アリーナは、華麗なショーをもってオープンした一方、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の来場により、見苦しい事件がいくつか起こった。エルドアン首相は、アヤックス戦が開始する前に大臣らと共にスタジアムを後にした。ガラタサライ・クラブのアドナン・ポラト会長も、前述の事件を理由に、アヤックス戦の前半終了後すぐに、スタジアムを去った。ガラタサライのサポーターは、試合終了を待たずにスタジアムから出始めた。ショーの第2部が行われるはずだったが、中止された。

■開会式典の様子

-ガラタサライが2010-2011年シーズン後半を戦うことになるチュルクテレコム・アリーナは、様々なショーに彩られてオープンした。

-ガラタサライがオランダの有名チーム・アヤックスと開幕戦をする前、様々な音響や特殊効果のショーが行われた。560人が準備に携わったこれらのショーは、ガラタサライの象徴である「ライオン」をコンセプトとしていた。

-ガラタサライがこれまでにアリ・サーミー・イェン・スタジアムで掴んだ栄光を示す様々なアイテムが、ショーを飾った。ショーは、フィールド上に設置されたスクリーンと、チュルクテレコム・アリーナの上部に設置された六角形のスクリーン両方に映し出された。

-ショーのために作られた直径約2メートルの太鼓がフィールドの中央に用意され、特殊効果によって彩られながら演奏された。

-ダンサー90人によって彩られた開幕式典の第1部は、スタジアムの外で行われた花火ショーをもって終了した。

-開幕式典のショーは、カナダ出身の芸術・マルチメディア監督・エリック・ヴィルヌーヴ氏が考案した。

-一方、ショーのために必要な材料は、トラック4台でイスタンブルに運ばれてきたことがわかった。

■エルドアン首相は早めの退散

19時30分にスタジアムに来たレジェプ・タイイプ・エルドアン首相と大臣らを、アドナン・ポラト会長が入り口で出迎えた。しかし、エルドアン首相の来場がアナウンスされた時、ガラタサライのサポーターの大部分がブーイングをした。これを受けて、エルドアン首相は、開会式典で行うはずだった挨拶を中止し、大臣らと共にスタジアムを後にした。タイイプ・エルドアン首相と大臣らは、スタジアムから出る際怒りの表情を見せた。また、エルドアン首相の前に、最初の挨拶をするはずだったスポーツ担当ファルク・オザク国務大臣も、挨拶を中止したことがわかった。エゲメン・バウシュ国務大臣は、「これは恩知らずな行為です。エルドアン首相は、このスタジアム建設に大変な貢献をされました。このスタジアム建設は、何度も中止の危機に直面しましたが、エルドアン首相のおかげで建設を続けることができ、このようなスタジアムが完成したのです」と述べた。

メフディ・エケル農業村務大臣は、「一連の出来事はとても恥ずかしい、無礼なものだ」と言った。

イスタンブル広域市スポーツクラブ会長兼クラブ連盟副会長のギョクセル・ギュムシュダー氏は、チュルクテレコム・アリーナの開幕式典で起こったブーイングについて、「これは全く受け入れ難いことです。(来賓できている我々)全てのクラブの会長も、帰ります。これは本当に残念な出来事です」と言った。

■エルドアン首相の後、アドナン・ポラト会長もスタジアムを去る

チュルクテレコム・アレーナ・スタジアムの開幕式典でサポーターのブーイングを受けたことにより、エルドアン首相はスタジアムを去ったが、その後、大臣ら、トルコサッカー連盟幹部、クラブ会長数名、そして最後にガラタサライ・クラブのアドナン・ポラト会長もスタジアムを後にした。アドナン・ポラト会長はスタジアムを出る際に記者の質問に答え、早急に緊急事態会議を行い、ブーイングをした者を摘発すると言った。

■「ガラタサライのサポーターはこのような恩知らずな行為をしないだろう」

また、青年とスポーツの会アクギュル会長も、スタジアムでのブーイング事件は組織的なものだと思うと言い、「今日ここで起こった出来事は、完全に組織的なものでしょう。なぜならば、ガラタサライのサポーターがこれほど恩知らずなわけはありません。恩知らずではないと思います。以前にも何度も、こうした事件がガラタサライのサポーターが起こしたものでないことを証明しています。事件を起こしたのはガラタサライのサポーターではないでしょう。組織的な行動でした。どのように企んだのかはわかりませんが、最悪でした。今晩、最悪な思い出をもってこのスタジアムを去ることになりました」と述べた。

■「首相へのブーイングは許せない」

トルコサッカー連盟(TFF)マフムト・オズゲネル会長は、「エルドアン首相へのブーイングは許せません。このスタジアム建設への、ガラタサライ・グループの貢献度はもちろん大きいですが、最も貢献したのはエルドアン首相です」と語った。オズゲネル会長はまた、エゲメン・バウシュ国務大臣の批判を支持し、「このブーイング事件へ対する反対意見は全て正しいと思います」と話した。

■ガラタサライ・クラブアドナン・ポラト会長の挨拶

「ご来場の皆様、親愛なるガラタサライサポーターの皆様、ようこそお越しくださいました。今日は歴史的な日です。我々のチームに新しい時代が始まります。今までは不利なスタジアムでしたが、今や有利なスタジアムに越してきました。チュルクテレコム・アリーナで、数々の大勝利を得たいものです。このスタジアムの建設には、何千人もの人々が携わりました。しかし、建設開始から今日まで、あらゆる段階でご支援くださったのは、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相です。エルドアン首相に感謝申し上げます、ありがとうございます。チュルクテレコム・アリーナで、このスタジアムの力も借りながら、海外チームとの試合でも勝利を獲得していきます。私の皆様へのお願いは、常に応援していただくことだけです。新しいスタジアムに活気と幸あれ。」

■ハジ監督「全て新しくて素晴らしい」

ガラタサライのゲオルゲ・ハジ監督も、チュルクテレコム・アリーナの開幕式典でスタジアムについて感想を述べ、「全て新しくて素晴らしいです。今夜の試合やショーがとても良いものになることを願っています。新年を向かえ、新しいスタジアムで初試合を行います。良いチームを作って、サポーターを満足させたいと思っています」と言った。ルーマニア出身のハジ監督は、現在ガラタサライの将来を構築しようとしていると述べ、「再び数々の栄光を掴んでいきたいと思っています。この新しいスタジアムは、アリ・サーミー・イェンよりも収容人数が多いスタジアムです。アリ・サーミー・イェンでの栄光よりももっと大きなものを、ここで手に入れたいと思います」と話した。

■エルジキUEFA副会長「プラティニ会長は今季中に新スタジアムを訪れる」

シェネス・エルジキUEFA副会長も、とても嬉しく興奮していることを口にした。エルジキ副会長は、2005年にはチャンピオン・リーグの決勝戦がオリンピック・スタジアムで行われたことに触れ、「とても大切で、面白い決勝戦になりました。2009年には、フェネルバフチェのホームであるシュクル・サラチオール・スタジアムで、この前のUEFAカップの決勝戦が行われ、歴史に名を刻みました。これからは、ヨーロッパリーグの決勝戦や、チャンピオンズリーグの決勝戦など、重要な試合があります。2016年欧州選手権の開催地となることはできませんでしたが、2020年があります。これら全てがトルコで行われることを願っています。この素晴らしいスタジアムは、UEFA基準に則って建設されました。8月には全ての基準に沿った、期待できるスタジアムになっていると思います。そんなに時間をかける必要もありません。これほど大きな可能性を秘めたスタジアムはありませんでした。トルコは、このような素晴らしい会場の数々をもって、将来的にここで大きなイヴェントを開催する準備段階にあるのです」と話した。

エルジキ副会長は、プラティニUEFA会長が開幕式典に来られなかったことについても述べ、「会長は、今日と明日ロシアで会議に参加します。そのために開幕式典には来られませんでしたが、このスタジアムを訪問する予定です、しかも近いうちに。今季中に訪れる予定ですし、このことを保証します。重要な試合が行われるようであれば、もちろん会長ご自身はここに来てスタジアムを目の前にすることになるでしょう」と語った。

■15分遅れで試合開始

ガラタサライ対アヤックスの開幕戦は、15分遅れで試合開始した。20時45分に開始予定であったが、実際は21時であった。

■サポーター、自分の観覧席をなかなか見つけられず

特に地下鉄で来場したサポーターは、スタジアムへのアクセスに特に困ることはなかったが、自分の席をなかなか見つけられず、問題が生じた。入り口にいる警備員も観覧席に関してあまりよく知らず、サポーターたちの困った様子が見られた。

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:21185 )