安定しない地域情勢が中東諸国への観光に悪影響
2011年01月19日付 al-Hayat 紙

■ 2011年、中東の観光は灰色の見通し

2011年01月19日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面

【ロンドン:ラフラ・ハルヤーティー】

 ヨーロッパやアメリカから何百万人もの人々が、冬でも温暖な気候や美しいビーチ、豊かな歴史を求めて訪れていたチュニジアが、アラブ諸国の中ではイエメンに次いで、世界の観光地図から姿を消した。

 トーマス・クック社の広報担当者は、本紙に次のように語った。「予定していたチュニジア旅行について数千件のキャンセルや、他の地中海諸国への行き先変更を受け付けていますが、今はとにかく、チュニジアにわれわれが送り込んだ旅行者を出国させることが第一です」「大半のヨーロッパ諸国の担当当局は、旅行者にチュニジアからイランにかけての『危険地帯』や、特に中東の不安定な国々は避けるよう観光客に注意を呼び掛けていますし、私どもとしても、まだチュニジアに代わる国やお手頃な価格の観光地をマーケティングするかどうか決めかねているのです」。

 また、2011年の見通しについては、エジプト・ヨルダン・シリア・パレスチナの各国で状況が「完全には安定」していないことから、イスラエルとトルコもその観光地図に含まれる「中東にとって、決してバラ色ではなく、灰色の年」になると指摘した。

 そして、「年初めのアレクサンドリアにおける教会襲撃やレバノンの危機がヨーロッパでは主要なニュースの一画を占めましたし、イエメンでのアル=カーイダによる攻撃やイランにおける危機的状況も、観光客を不安定な中東から遠ざけ、我々業者も中東旅行については長期的で計画的なプランを立てられないという、負の要因となっています」と語った。
(後略)

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:21220 )