独裁判所、不法入国逮捕容疑のトルコ国籍者を釈放、「トルコ人へはヴィザ不要」
2011年01月26日付 Radikal 紙

ビザを取得せずドイツに入国したため逮捕されたトルコ人は、ハノーバー簡易裁判所により釈放された。

ハノーバー簡易裁判所は、ビザを取得せずドイツに入国したため国外退去処分とするため逮捕されたトルコ人(26)を釈放し、観光客としてドイツへ入国するトルコ人はビザ無しで3ヶ月間滞在できるという、以前に欧州司法裁判所が下した「包括決定」を承認した。

ハノーバー簡易裁判所はさらに、自身の弁護士を通して、入国許可を受けたり、提供したりする問題で格差(ビザ発行の格差)があってはならないと主張したトルコ人(名前は非公開)のこの主張は正しいとし、裁判にかかった費用はドイツ政府が負担する決定を下した。

裁判所の説明では、当該人は2010年11月28日ランゲンハーゲン空港での審査で、ビザ不所持で国外退去処分とするため逮捕され、逮捕の数日前にドイツへ入国したことが確認された。さらに当該人は以前にも2002年1月10日にドイツへ入国、同年3月18日に亡命を要請したが、3月22日にはこの要請を撤回したことが明らかにされた。

アクデニズ大学ビザ無し交流欧州研究会のハルン・ギュムリュクチュ会長は、この件に関しアナトリア通信(AA)に対し行った説明で、ハノーバー簡易裁判所のこの決定を肯定的に受け止めたと明らかにし、「ドイツ裁判所は我々の主張を認めました。トルコ人は3ヶ月までEU諸国にビザなしで滞在することができ、これは罪とはなりません。ドイツの政治家たちは、そろそろ「包括決定」を評価し、その適用を図るべきです。決定は、互恵関係の原則に基づいています。ビザなしヨーロッパ(ビザなし交流)といった問題に関しなされてきた学術研究を、裁判所は考慮すべきです」と述べた。

ギュムリュクチュ会長は、裁判所は決定を下すにあたり2009年2月19日付の欧州司法裁判所の「包括決定」を参考にしたと述べ、トルコ人に要求されるビザとビザ取得にかかる費用は違憲であるとの見解を述べた。ギュムリュクチュ会長は、ドイツを始めとしたEU加盟国の「ビザなし交流」を妨げるような行為は、法に対する不信を生み出すと述べ、「EU諸国のこの措置は、増加傾向にあるトルコ人観光客がEU諸国を訪問する際の障害となり、このためドイツのホテルや観光分野に損害を与えることにもなります。話がトルコとなった途端、ヨーロッパで決定権を持つ政治的エリートたちが法律を無視するという事実は、日に日に明白になってきています。いくつかの経営者団体がEU諸国と合意したビザ簡略化のための合意は、この決定からみて非常に間違ったものであることは明白です」と述べた。

ヨーロッパ市民であることの根底には、法的権利の主張があると述べるギュムリュクチュ会長は、「政治的決定を下す者たちは、いろいろ裏交渉をする代わりに、合意により生じた権利を正しく守るべきです。ヨーロッパ市民であることの根底には、合理的であること、法的保障を確保するため必要なあらゆる措置を講じること、法的権利を主張することがあります。これらを主張するトルコは、ヨーロッパの一部としてのトルコです」と述べた。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:21273 )