アル=ジャズィーラ秘密文書:エルサレムに関し前例のない譲歩
2011年01月24日付 Al-Nahar 紙

■「アル=ジャズィーラ」報道の秘密文書:パレスチナ側がエルサレムに関し譲歩

2011年1月24日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP1面

【アル=ジャズィーラ、AFP、MENA】

 カタールの衛星放送「アル=ジャズィーラ」は、パレスチナ・イスラエル協議の極秘議事録として一連の文書を公開した。その中で、パレスチナ自治政府がエルサレム旧市街の聖域*に関する意見の衝突を、曰く「独創的な方法」で解決するため、同地について前例のない譲歩の用意があると表明したことが明らかにされた。

*[アクサー・モスク、岩のドームを有する一画。アラビア語で「ハラム・シャリーフ(聖域)」、ヘブライ語で「神殿の丘」と呼ばれる。]

 これらの文書の一つによれば、パレスチナ解放機構のサーイブ・ウライカート交渉局長は、2009年10月21日米国中東特使ジョージ・ミッチェル、米国務省法律顧問ジョナサン・シュワルツ、ミッチェル特使の代理人デイビッド・ヘイルとの会談で次のように述べた。

「エルサレム旧市街に関し、ユダヤ地区とアルメニア地区の一部を除いてパレスチナの主権のもとにおかれる。また旧市街聖域については討議の余地がある。機構か委員会を結成する、あるいは、発掘作業を行わないなどの誓約を結ぶ等の独創的な方法が考えられる。」

 また、2008年6月30日に当時のイスラエル外相ツィピ・リヴニと行った会談でウライカート局長は、「明らかに、史上最大のオルシャリーム(エルサレムをユダヤ側の表現を用いて表した)をあなた方に認めるということを我々の地図で提示した」と述べた。

 さらに2008年9月9日、交渉支援団との会談でウライカート局長は、同年8月31日当時のイスラエル首相エフード・オルメルトがパレスチナ側に提示した内容について語った。ウライカート局長によれば、オルメルト首相は、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、米国、イスラエル、パレスチナ側から成る「共同機構の監督下にエルサレム旧市街聖域地区をおくことを我々に提示した」。

 同局長によれば、オルメルト首相はこの機構の任務は[当該地域の]主権ではなく運営にかかわることであり、したがって主権に関する交渉は、パレスチナ・イスラエル双方とその機構が参加のうえで行われる、この機構にはパレスチナとイスラエルのいずれにも合意に至ることを強制する権限はないことを条件に上げた。

 ウライカート局長は、「東エルサレムについての懸念」と呼ばれるものは「最終的には政治的な」ものでパレスチナ自治政府の今後に対する配慮が関係しているとの見解を示した。また2009年10月1日のミッチェル特使との会談では、「もしこのような擦り合わせから目をそらせば、パレスチナ自治政府とパレスチナ指導部にとって致命的な結果になるだろう」と述べている。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:21276 )