トルコとエジプトの通商関係
2011年01月30日付 Yeni Safak 紙

最近の動向で世界の注目を集めているエジプトだが、そのエジプトへ向けた輸出で、トルコは2010年に23億ドルを実現し、エジプトからは9億2630万ドルの輸入が行われた。

トルコはエジプトへ金、鉄鋼、乗用車を輸出し、エジプトからは銅線、石油ガス、炭素、米を輸入している。

エジプトでは205社のトルコ企業が約15億ドルの投資をしている。これら投資の大部分は首都カイロとアレクサンドリアで行われている。ボルグエルアラブ地域(アレクサンドリアに近い地中海リゾート)にも多くのトルコ企業が投資している。

■貿易規模は増加傾向

2002年まで拡大と縮小を繰り返してきた2国間の貿易規模は、2002年以降増加傾向が続いている。昨年のトルコの対エジプト輸出額は23億ドル、輸入額は9億2630万ドルである。

トルコの対エジプト輸出品目は、金、鉄鋼、乗用車、スペアパーツ、合成繊維、タイヤ、合成繊維、織物、建設資材用の鉄鋼、電線、プラスチック製品が主なものである。

輸入品目には、主に鉄鋼製品、銅線、石油ガス、炭素、無機窒素、化学肥料、米、石油、綿糸がある。

■エジプトにおけるトルコの投資

エジプトでは205社のトルコ企業が約15億ドルの投資をしている。トルコ・エジプト自由貿易協定の締結後、2国間の投資関係は、特にトルコの織物、衣服関連企業の活動により、より活発になったと言える。

エジプトにおけるトルコの投資は、80%が織物・衣服分野に集中しているが、また同時に、自動車や自動車のスペアパーツ、化学塗料、電気電子機器、家具、観光分野にも及んでいる。トルコ企業は労働者を多く必要とする部門で投資をしたため、約4万人のエジプト人の雇用も支えている。

建設業界では、トルコ企業は1972~2008年の間に、エジプトで約5億6000万ドル相当、合計24のプロジェクトを実現した。トルコの建設会社の中では、STFAエネルコム、MNG、マキムサン、テペ・インシャート、ハズ・メルメル、ENKA、セザイ・テルクション、ウオクスィルがエジプトで展開しているが、これら企業の請負業務は完了し、一部が連絡オフィスを存続させているだけである。TAVも請け負ったカイロ空港の新国際線・国内線ターミナルの建設を終えた。

エジプトにおけるトルコの投資対象には、大工業施設やショールーム、百貨店も含まれている。

2国間の経済・貿易関係で起きた問題に関して、商業目的のビザ適用による「迅速審査制度」確立の重要性が注目を集めている。エジプトの税関での煩雑な手続きが貿易の障害となっており、ブランドの商標登録についても遅れの発生やコストがかかるといった理由で問題が起きている。

エジプトに輸出した商品の偽造品が作られ、これにより生じた問題に直面しているトルコ企業もある。また、会社設立、支店開業、就労ビザの入手、外国企業もしくは外国人の不動産所有や賃貸契約と言った手続きに、官僚主義が障害となって、非常に長い時間がかかる事も問題の一つである。

■2国間の協定

トルコとエジプトの間で2005年に調印された自由貿易協定(STA)は、2007年に施行され、この合意によって、工業製品の関税、数量制限措置と同等の税や防止措置が取り払われた。また、協定では、農業製品に対する補償内容の変更や、動植物の健康対策、サービス、投資、一般法の分野でも調整がなされている。

2国間にはこの他に、海事協定、トルコ・エジプト共同委員会設立に関する協定、航空運送協定、陸路の開通、二重課税防止協定、経済・技術協力協定、共同高等委員会設立に関する協定、貿易協定、双方向の投資推進・保護協定、判決公表・施行に関する協定と合同経済委員会(KEK)議定書がある。

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:21299 )