エジプト情勢に関してパレスチナ沈黙、内部では異なる思惑
2011年02月01日付 al-Hayat 紙

■ エジプト情勢に関してパレスチナ沈黙

2011年02月01日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HPアラブ国際面

【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス】

ガザ地区のハマースとヨルダン川西岸地区のファタハ、双方の幹部にエジプト情勢について所見を尋ねると同一の答えが返ってくる。「指導部からコメントするなと厳しく釘を刺されている」と。

パレスチナの主導権をめぐって敵対する両勢力は、この段階ではコメントがもたらす結果の責任を負うことを恐れて沈黙を守るという点では一致しているものの、双方の内心における立場は異なっている。ガザ地区の統治においてエジプトの厳しい規制を受けているハマースは、境界線を越えたエジプト側でも変革が起こり、ガザ地区封鎖が解除され、ガザ地区統治が自由にできるようになることを期待している。ハマースはガザ地区が外の世界に開放されることを望んでいるが、そのための唯一の扉はエジプトとの境界線なのである。

一方、パレスチナ自治政府の中心であるファタハには、ハマースとは異なる思惑がある。革命志向のあるファタハ基盤勢力は、エジプトにおける変革運動に対する連帯の意思を隠していないが、保守的な性格をもつファタハ指導部は、エジプト体制がアラブ諸国および国際社会のレベルにおいて自分たちの後援者であり支援者であり擁護者であると考えている。ファタハ幹部の一部は、エジプト指導部が自らの政治的拠りどころだと認めているほどである。

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:21312 )