イスラム教徒と共にムバーラクに立ち向かうコプト・キリスト教徒たち
2011年02月05日付 al-Quds al-Arabi紙


■タハリール広場ではコプトもムスリムもムバーラクに立ち向かう

2011年02月05日付『クドゥス・アラビー』

【カイロ】

エジプトで起きた前例のない抗議運動の拠点となっているカイロ中心部、タハリール広場には、ムスリム市民と並んでデモに参加し、共にムバーラク退陣を求めるコプト・キリスト教徒たちの姿があった。

コプトの青年ナーディルさん(23歳)は、英語で「ムバーラク時代に多くのコプトの血が流された。エジプトから出ていけ」と書いたプラカードを持っていた。ナーディルさんはAFPの記者に対し、「エジプトではここ数年でコプトに対する迫害がとても増えた」と語り、大晦日に23人の死者を出したアレキサンドリアの教会攻撃など、コプト・キリスト教徒を狙った最近の攻撃について指摘した。その上で、「ムバーラクは起きている事態を隠そうとしただけ。それでは解決にならない」と語った。

推計では[エジプトの]人口8000万人強のうち、6~10%をキリスト教徒が占めるとされている。

コプト教会のトップであるシュヌーダ三世総主教(アレキサンドリア主教ならびに聖マルコ大主教管区総主教)は金曜日の晩にデモ隊に対し、政権打倒を求める激しい抗議運動から数日後に政府が示した「妥協」を思い起こすよう呼びかけていた。

イーハーブさん(41歳)は、「総主教はデモに参加しないよう我々に要請した」と言う。このデモはムバーラク打倒を求めて先月25日に始まり、国連の推計では今までに少なくとも300人が死亡、数千人が負傷している。

イーハーブさんは、「それでもわれわれは広場にやってきた。自分たちもここにいるぞというところを見せたいんだ」と言って、英語でこう書かれたプラカードを持って歩きまわっていた。「キリストはより良き生活を与えてくださるだろう。そのためにムバーラクよ、去れ」。

ナーディルさんとイーハーブさんは、活動家に世俗主義者、イスラム主義者と、実に多様なデモ隊の一部を成している。イーハーブははっきり言う。「ムバーラクの退陣後にイスラム主義者が政権を握る恐れはない」「ムスリム同胞団の政府が出来たら災難だ。だが、エジプトにはムバーラクと同胞団以外にも選択肢はある」。

また別のデモ参加者はガマール・ムバーラクに向けたプラカードを掲げていた。ガマールは長らく父フスニーの後継者とみなされていたが、そのプラカードには「ガマールよ、父ちゃんに言え、コプトはお前を嫌ってるって」と書かれており、しばしば言われるようにコプトがみんなムバーラク支持なわけではないことを示していた。

最近、コプトの実業家でオラスコム・テレコムグループの社長であるナギーブ・サウィルス氏が、大統領が抗議運動に応えて約束したいくつかの改革は「エジプトにとって良いことであり、みんなが民主主義を求めている」「投資家たちにとって民主主義よりいいものはない。実業家として私が直面してきたあらゆるトラブルは、非民主的な国々の政府との間で起きたものだ」と明言した。サウィルス氏は資産25億ドルとも言われるエジプトきっての実業家である。

一方、タハリール広場では、多くのイスラム教徒のデモ参加者がコプトへの支援を表わそうとしていた。たとえばアフマド・アル=シャイミーさん(47歳)は「イスラム教徒+キリスト教徒=エジプト」と書いた上に、イスラム教徒とキリスト教徒の団結の象徴である十字架を抱えた三日月のマークを描いたプラカードを掲げ、「二つの宗教間を区別したくない」と明言した。

そして、「ムバーラクは、エジプトにはキリスト教徒との間にトラブルがあり、それを防げる適任者は自分だという考えを欧米に売り込もうとしている。だがそれは本当じゃない」と語った。

最近の[アレキサンドリアでの]襲撃以来、いくつかの欧米諸国がエジプトにおけるコプトの置かれた状況に懸念を表明していた。

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(翻訳者:山本薫)
(記事ID:21377)