ノーベル化学賞受賞者アフマド・ズウェイル、大統領の辞任を要求:「エジプトの政治的変化はフェムト秒以上のスピードで進んでいる」
2011年02月09日付 al-Quds al-Arabi 紙


■アフマド・ズウェイル、ムバーラク辞任要求の輪に加わる

2011年02月09日付『クドゥス・アラビー』

【カイロ】

エジプト系米国人の化学者で、ノーベル化学賞を受賞したアフマド・ズウェイル氏が、フスニー・ムバーラク辞任を求める人々の輪に加わった。政権側はこの要求を拒否している。

水曜日、BBCアラビア語放送に向けた声明でズウェイル氏は、ムバーラク大統領に「一刻も早い辞任」を求めた。

政治危機の終結を目指して数日前にズウェイル氏が出した提案には、大統領辞任の考えは含まれていなかったが、今の時点で辞任することはムバーラク大統領にとって栄誉となるとズウェイル氏は考えている。そうすることでムバーラク大統領は、より一層の民主主義をもたらす憲法改正を通じて、存命中に政権を他人に移譲した最初のエジプト人大統領になるからだという。

そしてズウェイル氏は、「エジプトにおける政治的事態の変化スピードは、フェムト秒以上だ」と指摘した。フェムト秒とは超短パルスレーザーを用いたズウェイル氏の科学的発見で、1999年にノーベル化学賞を受賞する理由となった。

さらにズウェイル氏は政権側との対話の重要性を確認しつつ、次のように述べた。「賢人委員会、あるいはいかなる対話の当事者であれ、政府とのはっきりした関係と連携抜きには何事も成しえない」。

彼によれば、ノーベル賞の受賞後に科学・教育改革のためにエジプトで3人の閣僚と共に仕事をしたことで、自身の政治的役割が明確になりはじめたのだが、「与党の一部と実業家たちが教育分野での汚職やエジプトの領土の売り渡しに関与しながら問題視されなかった」ことが原因で、何も成し遂げられなかったのだという。

そしてズウェイル氏は1月25日以来、エジプトで起きている事態について、エジプトのみならずアラブ世界全体と世界地図におけるその位置づけに変化をもたらす「歴史的なチャンス」だとの見解を示した。

現在までの政権側からの提示については、悪くない改革であり正しい方向への一歩ではあるものの「十分でない」として、反抗する若者たちが引き起こした現在の危機の中核には手をつけない「表面的」な変化に留まっていると語った。そして、汚職の責任者たちと、デモに参加した若者たちの無垢な命を奪ったあらゆる者たちとを即刻裁判にかける必要性を強調し、この件で「冗談」は許されないと語った。

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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21433 )