ドイツへのトルコ人観光客ヴィザ撤廃へ、独法廷、画期的判決
2011年02月10日付 Radikal 紙

ドイツのミュンヘン行政裁判所は欧州司法裁判所によるトルコ人に対するヴィザ撤廃の決定が観光目的の入国にも適用されるのかという問題に結論を出した。

ヒュッリイェト紙の報道によると、ミュンヘン行政裁判所は「トルコ人は、特に観光目的の場合にもヴィザなしでドイツへ入国でき、滞在許可を得ずに3ヶ月ドイツに滞在できる」という判決を下した。ミュンヘンのサナス法律事務所所属のテメル・ナル弁護士がセルダル・アルトゥンタシュ弁護士と共に起こした裁判で、初めて行政裁判所が、観光目的でドイツに入国するトルコ人のヴィザ撤廃を認めた。ミュンヘン行政裁判所によるこのような判決は初めてであり、そのため今後の判例となるであろう。裁判所の判決は次の通りである:「トルコ国民は非就労目的で、特に観光目的の場合にも、滞在許可やヴィザを取得せずにドイツへ入国することができ、3ヶ月間滞在できる。」

■判例となる

裁判所はこの判決が今後の判例となるものであるとし、そのため同判決に対する控訴を認めた。また裁判所は、親戚の訪問はこの判決の範疇には入らないとした。クレイン裁判長と裁判員らは判決の根拠として、トルコとEUの間で1973年に締結した追加議定書の41条1項を示した。裁判ではさらに、欧州経済共同体(AET)が1964年2月25日に策定したEWG 64/221/EWGガイドラインが参照された。サナス弁護士事務所のテメル・ナル弁護士は、「これは歴史的判決であり、今後の判例となるであろう。トルコ人がドイツで、例えば治療を受けたり、コンサート鑑賞やスポーツ観戦をするために常にヴィザを取得する必要がなくなり、観光目的での入国においてもヴィザが免除される。航空会社がヴィザがないからといって乗客を乗せないということも、もはや出来なくなる。そのようなことをすれば、それは違法行為であり、航空会社に対して損害賠償を求める裁判を起こすことも可能となる」と話した。

■これがEUの法律である

クレイン裁判長は1973年に整備された欧州の法律によれば、サービスの自由移動には能動的なものと、受動的なものの両方が含まれていると述べた。クレイン裁判長はこの裁判においては欧州司法裁判所の見解を聞く必要がないほど、その法的位置づけは明確であったと強調した。

■トルコ国民4人が乗り継ぎできず、告訴

ミュンヘン行政裁判所の判決のきっかけはトルコ在住のジャンダン・エルドアン氏が起こした裁判である。4人のトルコ国民は2009年9月29日にアメリカからミュンヘン経由でイスタンブルまで行く予定であった。しかしアメリカ発の飛行機が遅延したためにミュンヘン発イスタンブル行きのルフトバンザ航空のフライトに乗り遅れてしまった。4人は次の日のフライトでイスタンブルへ行くため、空港のホテルでの宿泊を希望したが、警察がこの4人のトルコ国民にヴィザがないことを理由に空港外へ出ることを許可しなかった。そのため彼らは一晩をミュンヘン空港のトランジットエリアで過ごさざるを得なかった。そして、この4人を代表してジャンダン・エルドアン氏がドイツ国を相手に裁判を起こしていた。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:21444 )