イラン、オランダ外相の内政干渉発言に抗議:オランダ、イランとの関係を一時凍結
2011年01月31日付 Mardomsalari 紙

オランダ政府は、イランとの関係を当面凍結すると発表した。これは、イランとオランダの二重国籍の女性が、イランで麻薬の運び屋をしていた容疑で処刑されたことを受けて発表された、最新のニュースである。

 テヘラン検察の広報サイトの発表によると、ザフラー・バフラーミー(アリーの子)死刑囚は麻薬の販売・所持の罪で、土曜日の明け方、絞首刑に処せられた。この死刑囚は国際的な麻薬密売グループの一味で、オランダ人連絡員の協力を得て、同国からコカインをイランに密輸し、さらにこのグループの協力によって、二段階にわけてコカインを国内に持ち込み、流通させていた。

 この発表によると、以前治安関連の犯罪を犯した容疑〔※〕で逮捕されていた同死刑囚の自宅を捜索したところ、コカイン450グラムとアヘン420グラムが発見され、さらに取り調べにより、彼女がこれまでコカイン150グラムを販売していたことが判明したという。
〔※「治安関連の犯罪」とは、2009年大統領選後の騒乱に加わったことを指す。このことから、この女性の処刑は麻薬関連の罪ではなく、政治的な行動が理由で処刑されたのではないかとの疑問が、西側諸国から出されている〕

 〔‥‥〕同死刑囚は、450グラムのコカインを所持し、150グラムのコカイン販売に加担した罪で死刑と財産没収が、また420グラムのアヘンを所有していたことについては、1400万リヤール〔※約11万円〕の罰金刑と、70回のむち打ち刑が宣告された。この判決は、検事総長によって支持され、確定した。

 この判決が執行されたことを受け、オランダ政府はこのイランとオランダの二重国籍の女性が麻薬密売の罪で処刑されたことに関し、イラン政府に説明を求めた。ドイツ通信がハーグから伝えたところによると、オランダのウリ・ローゼンタール外相は、「テヘランで執行されたザフラー・バフラーミー処刑に関する説明のために、駐オランダ・イラン大使が外務省に呼び出された」と述べた。

 またイラン学生通信(ISNA)の報告によれば、オランダ外務省のBengt van Loosdrecht報道官は土曜日、AFP通信に対し、イラン大使がザフラー・バフラーミー処刑の報道を認めたことを受け、「オランダは、イランとのすべての関係を一時的に凍結することを決めた」と述べた。

 同報道官は、「これ(凍結)には、〔両国の〕外交官や政府関係者の間で行われるすべての公式の接触が含まれている」と述べた上で、イランとの二重国籍にあるオランダの市民に対し、イランに近づかぬよう勧告が行われたと続けた。

 同報道官はまた、ウリ・ローゼンタール外相は「この報道に衝撃を受けている」とも述べた。

〔‥‥〕

 これに対し、駐テヘラン・オランダ大使も昨日、〔在外〕イラン人局局長によって外務省に呼び出され、同国外相の干渉主義的発言に対する我が国の抗議が伝えられた。

 イラン学生通信(ISNA)の報道によれば、この面会のなかで、同局長は麻薬の密輸・流通に関するイラン・イスラーム共和国の法律・規則について指摘した上で、オランダ政府が犯罪者を支持し、我が国の内政に干渉していることに対して、警告を発した。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:日下涼 )
( 記事ID:21493 )