お騒がせ、偽聖者廟騒動―家のお風呂に聖者が眠る
2011年02月17日付 Milliyet 紙

イスタンブルのカスムパシャにある、とある借家が、ケマル・スナルの映画を髣髴とさせるブラックジョークの傑作の舞台となった。

メスト・セルテセルさんは、浴室の浴槽に偽の聖者廟を作った。「セラフ・ババ廟」と名付けた偽の聖者廟を登録するために、記念建造物委員会にまで申請したが、結局申請は却下された。メスト・セルテセルという名前の人物は借家に住んでおり、一時その家賃を払えなかったことから、家主による家の売却を妨害するために、浴室にあった浴槽の中に偽の聖者廟を作り、「セラフ・ババ廟」という名前までつけてしまった。おまけに1.5階に位置するその家で、廟が置かれた浴室は、地面と同じ高さにはなく、浴室の下にはさらに地下室があったという。つまり偽の廟は地面にすら接していなかったのだ…。

■地方自治体へ登録申請

借家人のメスト・セルテセルさんは家の中に偽の廟を作っただけでは満足せず、偽物と知りながらベイオール地区自治体へ登記申請を行った。役所が書類を送付したイスタンブル第二文化自然遺産保護協会は、問題の家の浴室で考古学者らによる調査を行わせた後、そこに聖人廟はなかったと判定し、申請は当然のことながら承認されなかった。もともとこの偽造の廟に関しては、墓地管理局にも、ベイオール自治体にも、ベイオール・ムフティ局にも全く記録はなかったのだが。

■ セフェル・ババの信奉者

非難の的となっているメスト・セルテルさんは、しかし自宅に聖者廟があることを確信している。朝からナジフ・カラマンさんへ話しかけるメスト・セルセテルさんは、自宅にピール・ヒュサメッティン・ウシャーキー(訳者注:実在の聖者)の御者、セフェル・ババのそのまた信奉者だったセラフ・ババが眠っていると話している。浴室の廟がどの公的機関にも記録されていなかったことを認め、この状況を家主の長年の怠慢のせいにするメスト・セルテセルさんは、近所の老人たちはこの廟のことを知っており、「セラフ・ババ」が通りでたくさんの人に目撃されていることを主張している。「セラフ・ババ」の目撃者のうちの一人と自ら述べるメスト・セルテセルさんは、「黒髪で、背が高く、黒いあごひげを生やした人だった」と語っている。メスト・セルテセルさんは家を見に来るたくさんの人が廟を目にすると遠慮し、家の購入を諦めたと話す。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:21542 )