リビア滞在のトルコ人は2万5千人―救出へ政府案
2011年02月22日付 Zaman 紙

トルコ政府は、暴動が次第にエスカレートし、死者も増えているリビアにいるトルコ国民を救出するため、共和国史上最大の避難救出作戦を始めた。外務省で開かれた臨時会議の後、昨日二隻のフェリーがリビアに向けて出航した。

トルコ政府は、反政府デモが暴動に転化しているリビアにいる約25,000人のトルコ国民を、安全に国に帰還させるための作業を開始した。共和国の歴史上最大の避難救出作戦の一環で、一昨日の夜、外務省で緊急対策会議が開かれた。この会議で、飛行機が着陸出来ないベンガジへは、陸路と海路を使用することが決定された。イスタンブル海上交通(İDO)に所属する1200名乗りの2隻の船で昨日リビアに派遣された。フェリーの安全をトルコ海軍のフリゲート艦が守っている。リビアにいるトルコ人の一部は、陸路でエジプトに移動させ、そしてエジプトから飛行機で移送することが計画されている。タイイプ・エルドアン首相は、自身でリビアのムアンマル・カダフィ大佐に二度電話をかけた。エルドアン首相は、カダフィ大佐からトルコ国民を運ぶ予定の飛行機に、(着陸)許可をだすように求めたという。これを受け、トルコ航空の4機の飛行機が準備されている。

緊急対策会議は、アフメト・ダヴトオール外相、ジェミル・チチェック副首相、そして参謀本部及び国家諜報機構の担当者をはじめ多くの関係者が参加し、昨夜22時から始まり、午前3時まで協議が続いた。会議は二部に分けられ、第一部ではリビアにいるトルコ国民の避難が協議され、第二部では中東で始まった民主化要求について話しあいが行われた。会議では、リビアにいるトルコ国民を、大至急避難させることが最優先テーマであるとされた。エルドアン首相は、トルコ国民を運ぶ予定の飛行機への許可を得るため、リビアの指導者であるカダフィ大佐に電話した。外交筋の情報によると、両者の会談ではリビアにいるトルコ国民が置かれた状況だけが話し合われた。エルドアン首相は、リビアで働いているトルコ国民の家族が不安の中にあることを述べ、避難への便宜を望んだ。カダフィ大佐は、この要求に前向きな返答を与えた。しかしながら、時間がたっても、リビア国内の混乱のため、(着陸の)許可を与えるリビアの関係当局といっこうに連絡をとることが出来なかった。このため、エルドアン首相は再び電話をかけた。エルドアン首相は、カダフィ大佐に、飛行(許可)のための担当者と連絡が出来なかったことを述べ、カダフィ大佐に仲介を望んだ。カダフィ大佐は肯定的な返答を与え、必要なことは行われるだろうと述べた。

イスタンブル海上交通社(İDO)の、収容人数1,200名、車両搭載量200台のオスマン・ガージー号とオルハン・ガージー号の両フェリーは、準備が整った後、昨日リビアに向けて出港した。フェリーの中には、救急車と一緒に赤新月社、県保険局、そして警察総局の人員で構成された30名からなるチームが乗船している。フェリーは22時間でリビア到着が予定されており、航行にはフリゲート艦が同行する予定である。赤新月社マルマラ支部災害管理局のバイラム・エミル氏は「イスタンブル海上交通の2隻のフェリーによって、3000枚の毛布と、3000個の寝袋、500名分の子どもと女性用のパットを私たちは送りました。この他に食料、飲料、水、必要物資だと思われる保存食料も送っています」との情報を与えた。

リビアの反政府デモに影響を受けた250名程のトルコ国民は、ベンガジの街から陸路によってエジプトに移送される方法によって避難する予定である。トルコ国民は、エジプトに入った後、陸路でイスケンデルンの街に移り、そこから飛行機によってイスタンブルに到着する。昨日夕方頃、リビア航空に属する飛行機が、170名の乗客をトリポリからイスタンブルに運んだ。一昨日の晩はトルコ航空の飛行機によって、288名がベンガジからイスタンブルに運ばれた。家に無事に戻れたトルコ国民達は、今もデモが続いていること、そして(建設中の)工事現場に行われた攻撃が増加していることを語った。乗客の一人である建築家のアブデュルヒム・バイラムオール氏は、略奪と暴動がリビア全土に広まっているとし、「全てのトルコ企業の工事現場が壊されつつある。身一つで逃げだしました。トリポリ空港は人々で埋め尽くされていました。インターネットは機能しておらず、電話はつながりにくい状況でした」と述べた。

■ 孤立したトルコ人労働者達を現地のリビア人が助ける

暴動が起きている諸都市の一つであるリビアの港町であるデルネでは、現地のトルコ人労働者達が結婚式場に避難していることが明らかとなった。建設中の工事現場が燃やされたと語るトルコ人労働者の一人であるエルダル・イイドーアン氏は、現地の人々によって滞在用に、結婚式場が提供された、と述べた。イイドーアン氏は、「約150名のトルコ人労働者が結婚式場に留まっています。30名は他の場所にいます。現地の人々は私たちをここに金曜日に連れてきてくれました。食べ物がなかったので、近所の人々が私たちにパンと水を持ってきてくれました。デルネには警察或いは治安部隊は一人も残っていません。港は略奪され、私たちの働いていた建設中の工事現場は燃やされました。デルネはもはや無政府状態です」と語った。

■ 政府の避難計画

1)優先事項として、25,000人の在リビアトルコ国民を至急避難させるため、国は全力を尽くす予定である。
2)飛行機の着陸許可のために、リビアとハイレベルでの交渉を行う。エルドアン首相はこのために、リビアの指導者のカダフィ大佐と電話会談を二度行った。
3)避難活動のために、ベンガジのトルコ総領事館に5人の外交官と特殊部隊で編成されたチームが派遣された。
4)飛行機が着陸出来ないベンガジへは、海路での避難を行うため、2隻のフェリー派遣した。
5)トブルクにいるトルコ国民は、エジプトまで移動し、ここから飛行機によって避難することで一致した。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:21599 )