「トルコの不満、生む」―サルコジの300分トルコ訪問へフランス紙評
2011年02月26日付 Zaman 紙

仏メディアは、サルコジ大統領の5時間のトルコ訪問に対するレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の反発と、極短時間の会談に広く紙面を割いている。

各報道番組は毎分ごとに訪問を報道し、新聞各紙はトルコ政府の反発を招いたサルコジ大統領を非難した。ルモンド紙は、トルコがサルコジ大統領の訪問に不満をおぼえているとして、「サルコジ大統領の300分間訪土は、エルドアン首相が『ちょっと待って(one minute)』と300回言うのに十分だった」と報じた。同紙はまた、今回の訪問は、トルコ側の期待を満たすものとは程遠かったと報じ、「アブドゥッラー・ギュル大統領は1月に、最後にトルコを訪れたのが30年前だというサルコジ大統領にイスタンブルのダイナミズムを見せ、彼のトルコに対する見方を変えたいと願っていた。しかしアンカラは味気のない短時間の訪問に甘んぜざるを得なかった」とコメントしている。

ルモンド紙は、経済的、戦略的な利益を考慮すると、フランスはトルコへのアプローチを余儀なくされていると述べ、中東地域の展開を予測することを迫られているフランス外交にとって、中東で存在感を高めるトルコに耳を傾けないわけにはいかないと主張した。エクスプレス誌は、サルコジ大統領の短時間訪問はアンカラを不快にさせたと報じ、「トルコはサルコジ大統領の前にEU正式加盟の必要書類を揃える決意だった」と表現している。またウエスト・フランス紙は社説でサルコジ大統領の訪問を取り上げ、「再び軽視できない力を得た、中東地域唯一の安定した国という立場にある」トルコに対し、このようなレベルの訪問が実現したことは受け入れ難いと主張している。同紙は、近年の政治、経済、文化的発展をみれば、トルコがこの地域における最重要国家のポジションを得ているとして、「フランスにもっとも近い位置にいる大国との対話を、EU加盟交渉のために停滞させることはできない」と表現した。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:21643 )