リビア、援助をまつ18万の各国労働者―国境に殺到
2011年03月03日付 Hurriyet 紙

リビアのエジプトとチュニジアとの国境付近に集まった18万人以上の移民労働者は生きるか死ぬかの闘いを繰り広げている。母国からの救援のない労働者たちは、リビアから避難することもできずにおり、国連もその対策に乗り出せていない。外で寝泊まりをし、空腹をかかえた3万人のバングラデシュ移民はシーツの端切れに「私達を助けて」と書いた。

リビアのエジプトとチュニジアとの国境付近は人で溢れかえっている。ほとんどが貧しい国々の出身である数万人の移民が、カダフィ体制に対し2週間ものあいだ続いている反乱や武力衝突から逃げ出して国境付近に集まったのだ。彼らはこの数日、お腹をすかし避難場所もないまま、国境を通って母国に帰るために待ち続けている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は移民労働者の多くに対して、何ら対策が講じられていないことを受け、(リビア脱出のために)数百機の飛行機の派遣を要請した。UNHCRのスィベラ・ウィルケス報道官は現地の深刻な状況を次のように説明した:「チュニジアとの国境にいる我々の職員は、(国境付近は)国境通過を待ち望む人で見渡す限り埋め尽くされていると伝えている。数千人の人が国境のすぐ近くで待っている。雨が降ろうと、凍るような砂漠の寒さの中、外で夜を明かしている。多くはすでに3、4日を外で過ごしている。現場の状況は本当に混沌としている。エジプトとの国境に集まった人々は77320人である。同じ位の人がチュニジアとの国境にもおしよせた。おそらくさらに1万人ほどが到着するだろう。つまり我々はエジプトとチュニジアに脱出しようとしている18万人以上の人々に対応しているのである。」

■サムソンへ移民移送

最も過酷な状況に置かれているのは、チュニジアとの国境に集まったバングラデシュ、ベトナム、ナイジェリア、ガーナの様な貧しい国々から来た労働者たちである。数千人のバングラデシュ移民労働者は、エジプトからチュニジアに行くことを望み、一部の人々は2日間食べ物にありつけていないという。彼らは国境を通過できる時を待ちかまえている。バングラデシュ人達は、期待していた政府からの援助が受けられなかったために、非常に怒っており、食べ物の援助が届かないまま、焼かれるような日中や、凍りつくような砂漠の夜を外で過ごしている。エジプトからの要求で昨日、サムソンのフェリーボートが1000人、ガリポリのフリゲート艦が200人のエジプト人をそれぞれ乗せて、リビアからイスケンデル港に移送した。

■イスラム会議機構(İKÖ)が砂漠に病院設置

国境に集まった移民たちの助けを求める声を聞き、イギリス、フランス、57のイスラム諸国が救援活動に乗り出すことを決定した。イギリスはリビアとチュニジアの国境にいるエジプト人を一部空路で脱出させた。またイスラム会議機構は、チュニジアとエジプトとの国境付近に二つの医療設備を完備した砂漠病院を設置し、救急車を配備することを明らかにした。機構は1万人分のテント、小麦粉、砂糖、米の援助も行うと述べた。

■アジュダビアに爆撃情報

国際プラットフォームによる援助活動が展開される中、昨日更にカダフィ大佐が反乱者に対する空からの攻撃を準備しているとの情報が流れた。ベンガジの160Km南に位置するアジュダビアに昨日、空爆が行われるといわれていたが、カダフィ派の部隊がそれより前に、既にカダフィ大佐の反対派によって占拠されているブレガ郡を包囲した。この間、フランスの首都パリに拠点を置くリビア人権連合は、この反乱で、これまでに6000人が亡くなり、その半分は首都のトリポリで命を落としたと明らかにした。
一方でムスタファ・アブドゥル・ジャリル前法相がカダフィ大佐に反対する立場をとって辞任したため、昨日新たに任命が行われた。同時に30人のメンバーで構成される「国家委員会」の創設が明らかにされた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:21704 )