アレヴィー派、イズミルで6万人ミーティング
2011年03月06日付 Hurriyet 紙

アレヴィー系市民は、平等をもとめ、イスタンブル、アンカラに続いてイズミルのギュンドードゥ広場で集会を開いた。

約6万人が参加した集会の500メートル先では、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相や共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首も参加していたアルサンジャク駅の開業式が行われていた。この開業式にも言及した集会の演説者たちは、総選挙について「投じた票が同じ投票箱へと入りますように」というメッセージを伝えた。

民主主義を掲げる組織の呼びかけのもと、イズミルのギュンドードゥ広場にて集会が行われた。この集会では、「公正発展党(AKP)は市民と清算を行う」、「ファシズムに抵抗して肩を並べよう」、「一人での解放はない。皆とともに、あるいは誰一人も」というスローガンが叫ばれた。集会には、アーティストのアリフ・サーやフェルハト・トゥンチ、デルトゥリ・ディヴァーニ、旋舞グループ、そして地方の吟遊詩人たちも参加した。またアラアッティン・ユクセルCHP副党首や、メフメト・アリー・チャルカヤバルチョヴァ市長、ムスタファ・インジェギュゼルバフチェ市長、メティン・ソラクチーリ市長、そしてアブドゥル・バトゥルナルルデレ市長も集会に参加した。

■バルクズ会長「首相は500メートル先に」

集会で演説を行なったピール・スルタン・アブダル文化協会連合のアリー・バルクズ会長は、議会選挙が迫っていることや、トルコが6月12日に一つの試行段階を通過するであろうことを述べ、諸問題を提示するために同じイズミル内にいるエルドアン首相やクルチダルオールCHP党首へも集会への参加を呼びかけたと話した。バルクズ会長は、「首相やクルチダルオール党首は同じ都市の、われわれのすぐ500メートル先にいる。彼らもこの場へ招待した。今でもわれわれの道と扉は開いたままだ」と述べた。

■「ヒットラー(の時代)がくるのではないかと恐れている」

特に首相へ伝えたいことがあると述べたバルクズ会長は、以下のように発言した。
「首相が私たちのいうことをきべば、その場で「はい」とはいわなくても、その反対のことはしないだろう。われわれが何を言っているのか、関心があるならノートに書き記せばいい。AKPは選挙プログラムにそれをいれればいい。いれるだろうか、いやしないだろう。首相は選挙プログラムにおいて、自身の民主主義や自身の自由を優先する。われわれの国は悪化の道をたどっている。宗教のソースをかけられた独裁へと向かっている。昨年の国民投票のあと司法を愚弄した。今度の選挙のあとには大統領制をもちこむだろう。ヒトラーやムッソリーニがくるのではないかと恐れている。われわれはこれを阻止しなければならない。そのためにも6月12日の選挙は重要である」

■「投票箱の前でわれわれをこまらせないでほしい」

バルクズ会長は、彼ら自身と協力関係の中にある政党や有権者に求めたいことがあると述べ、以下のように続けた。「この選挙でわれわれが投じた票が、同じ投票箱へと入りますように。同じところに投票して、この抑圧からすくわれようではないか。諸政党に私は呼びかける。明日、投票箱の前でわれわれをこまらせないでほしい。誰に投票するかということで、われわれを躊躇させないでほしい。一つになってほしい。われわれは団結したのだ。あなたがたも団結してほしい」

ピール・スルタン・アブダル文化協会連合のアリー・バルクズ会長は、次年度の教育年間においてアレヴィーの子どもたちが抑圧され続けることを許さないと述べ、以下のように発言した。「選挙は訪れまた過ぎてゆく。9月になれば、新学期が始まる。われわれはこの問題の解決に向けて努力しなければならない。この問題に反対しなければならない。」

■セラハッティン・オゼル・アレヴィー文化協会会長

セラハッティン・オゼル会長は、人権や民主主義がどこにあろうと、アレヴィー派はその中にいると述べ、すべての知識人と民主主義者の協力を呼びかけた。政府によるアレヴィー派融和政策をも批判したオゼル会長は、以下のように話した。

「ジェム・エヴィへ法的地位を与えようとしているらしい。『らしい』という話だ。そのような地位を付与するつもりなら、付与しないで結構だ。1000年もの間われわれ自身の努力をもって、ジェム・エヴィでの礼拝を行なってきたのだ。ただそれを続けるだけだ。われわれは鼓動も魂も捧げた。デデたちを国家の役人にはしなかった。しかし彼らは神の役人という立場に置かれた人々を、国家の役人という立場へ置こうとしている。アレヴィー信仰を、今日までアレヴィーでない人々が表現してきた。アレヴィー信仰を学びたい者はここへ来なさい。訪れた者は『ミフマン・アーリー(お客様)』として歓迎する。ただしもてなすかどうかはその考えによるが。(われわれの心の)扉も、(ジェム・エヴィという)建物も常に開いている」

これらの演説の後、アリフ・サーも含むアーティストたちがステージへ上がり、トルコ民謡を歌った。集会へ参加した人々の要求は、以下の通り。

・宗務庁の撤廃
・必修宗教教育の撤廃
・ジェム・エヴィへの法的地位付与
・マドゥマク・ホテルの博物館化
・アレヴィー村へのモスク建設政策の終止
・コチギリ、デルスィム、チョルム、マラシュ、スィヴァス、ガーズィーでの虐殺に関する資料の再検討と虐殺犯への法的処罰
・多元的で民主主義的且つ平等主義に根ざした憲法の制定
・身分証明書の宗教欄におけるアレヴィー記載と、軍や警察からの除外の終止

アレヴィー集会を解散した人々がAKPやCHPの車両と遭遇しないよう、アレヴィー集会に参加した人々のバスはコナックやチャンカヤ、フェヴズィパシャ地域に駐車させられた。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:21746 )