エジプトで破壊された教会の再建を求めるコプト・キリスト教徒の抗議行動つづく
2011年03月09日付 Al-Ahram 紙


■アトフィーフの教会、再建へ

2011年03月09日付『アル=アハラーム』紙

ヘルワーン県アトフィーフ郡、スール村の教会問題解決に向けた努力が続けられる中、アズハル総長のアフマド・アル=タイイブ師は村の同じ場所に教会を再建し、国の安全を脅かす内乱の危機を遠ざけねばならないと明言した。同師はスール村で教会が破壊されたことに遺憾の意を表し、アラブ・イスラーム史上に前例のない、イスラームの教えとは無縁の異様な出来事であると指摘した。そして複数の教会への襲撃が起きていることは、イスラームのイメージを歪めると評した。

 この発言は昨日、アズハル総長が教会側の代表団と面会した際に述べられた。テオドシウス・ギザ県総司教に率いられたこの代表団には、エジプト平和愛好者協会のハーニー・アズィーズ事務局長も参加した。

 一方、軍最高評議会メンバーで軍中央地区司令官のハサン・アル=ルワイニー准将は、軍最高司令官のムハンマド・フサイン・タンターウィー元帥が200万エジプトポンドを投じて教会を完全に再建し、村に国民統合のための広場を建設することを承認したと発表した。

 ルワイニー准将が本紙との独占会見で語ったところによると、同氏は複数のイスラーム学識者やキリスト教聖職者と連絡を取っており、今日はムハンマド・ハッサーン師がキリスト教聖職者に同伴されて、アトフィーフ郡スール村の青年たちと面会するという。

 一方、イサーム・シャラフ首相は教会代表者の一人との会合で、教会の再建と軍が約束したことの実行、村に通常の生活が戻るよう事態の鎮静化を図ることを明言した。

 カイロ中心部のラジオ・テレビビルの前で数千人のコプト・キリスト教徒が続けているデモは、昨日で4日目に入った。デモ隊は「我々の教会が戻るまでここを動かない」とのスローガンを掲げ、「顔を上げよう、お前はコプトだ」と叫びつつ、ヘルワーン県知事の辞任を求めた。

 マタリーヤ・ショブラヘイマ地区のバイマン・シャーキル司祭によれば、1月25日革命を主導した若者グループとキリスト教徒同胞や司祭たちとの間で連絡協議が行われ、今日、タハリール広場で行われるコプト・キリスト教徒との連帯を示す座り込み行動を組織するための調整が行われたという。

 また軍の高官筋は、ウムラーニーヤやアスユート、マアサラの各地で教会が放火されたとメディアが報じた偽りのニュースを否定した。イスラーム教徒とキリスト教徒の間に衝突が起きていることも同じく否定した。

 カイロでは数百人のキリスト教徒の若者たちがサラーフ・サーレム、ナスル通り、ミフワル、ハラム、ダール・サラーム、ムカッタムのサマアーン修道院横の6地区でデモを行い、アトフィーフの教会再建を急ぐよう求めている。デモ隊はサラーフ・サーレム通りを遮断しており、デモのために大カイロ圏の交通はこの3日間、完全な麻痺状態に陥っている。
(後略)

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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:21763 )