文化相、ベシクタシュの新スタジアム建設、「認められない」
2011年03月12日付 Milliyet 紙

ギュナイトルコ文化観光大臣は、「自分を『ドルマバフチェ宮殿を海へ押しやる大臣』と言わせない」と述べた。以下はギュナイ文化相によるスタジアムに関する会見内容である。

ベシクタシュの最大の希望はイノニュスタジアムを取り壊し、より近代的なスタジアムを建てることであった。辛抱強く待っていた文化財委員会からの許可が先月中に出され、デミロレン会長は「5月に取り壊しを始める」と述べた。

しかしエルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣は「ドルマバフチェ宮殿を危険にさらすわけにはいかない。決定を高等委員会で協議し、決定を取り消した。ベシクタシュはそこに新しいスタジアムを建設することはできない」と述べ、新スタジアム建設の希望は打ち砕かれた。

ITB観光展覧会でエルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣と会話したヴァタン誌の記者エルジャン・イナン氏は、ギュナイ文化相がベシクタシュ・イノニュスタジアムに関して文化・自然保護協会が下した決定に不快感を抱いていると述べた。

以下は、ギュナイ文化相の発言とイナン氏が書いた記事の内容である。

「イノニュスタジアムを取り壊して収容人数を増やすというプロジェクトがはじめに私に知らされた時点で『だめだ』といったはずだ。ボスポラス海峡の海岸で、しかも埋め立て地域にこのようなスタジアムは建設できないと述べた。私はこの話は終わったと思っていた。しかし、再建計画を文化・自然保護協会で可決させていたようだ。これを実行させるわけにはいかない。高等委員会で協議し、それにより決定の実施を止めさせた。」

ベシクタシュマガジンの3月号にインタビューが掲載されているベシクタシュのユルドゥルム・デミロレン会長が語った、以下のような言葉を思い出した。「我々のクラブは世界的なクラブになるということを、チームの優勝のみならず、施設整備を進めていくことで達成していくつもりである。我々の計画は予想以上に早く進んでおり、然るべき許可も得ている。災難がなければ、5月に取り壊しを始める」。しかし文化相の決断は固いようで、委員会は決定取消の根拠を以下のようにまとめた。

「スタジアムを拡大させれば土地の記憶を壊すことになる」

当時は意固地になのか、故意になのかここにスタジアムが建てられたのだろう。しかし、ここは埋立地である。スイスホテルを建設した際にはドルマバフチェ宮殿が影響を受けた。その後ギョッカフェスが建設された。これらは長期的に見て宮殿に損傷を与えた建物である。

我々はスイスホテルとギョッカフェスをここに残しておかざるを得ないだろうが、スタジアムを拡大しないように、とはいえる。ここはそもそもリスクのある地域である。スタジアムを拡大すればその土地の記憶を壊すことになる。宮殿・時計塔のある地域が空気を得ることが必要であることははっきりしている。

「一部の人々が不労所得を得ることを許すわけにはいかない」

イスタンブル工科大学からもドルマバフチェ宮殿が崩れたという報告書を出してもらう。文化財高等委員会もこの件についてより詳しく検証するだろう。私は歴史に対して責任がある。一部の人々が不労所得を得ることを許すわけにはいかない。自分を「ドルマバフチェ宮殿を海に押しやる大臣」と言わせない。

「これは単なるギュナイ文化相の『拒否』ではない」

さてこれから先どうなるだろう。過敏になっているのは文化相のみなのだろうか、それとも政府もそのように考えているのだろうか。つまり、結局ここはトルコで、べシクタシュも大きなコミュニティーである。ギュナイ文化相が辞め、他の人が来てその許可を古い棚から再び出すかもしれない。ギュナイ文化相はイノニュスタジアムに関して包括的な計画を持っており、またベシクタシュクラブにスタジアムの件を任せてくれれば、他のスタジアムを建設することを提案すると述べている。私が理解した限りでは、この『拒否』は単にギュナイ文化相の『拒否』というわけではない。

好きな場所にスタジアムを建設しよう案

ここを昔の街並みに戻したい。手元の古い版画からここの昔の状態は明らかである。地域を再び昔の街並みに戻したい。アカレットレル、スラエヴレルのような環境をここに作り出すことができる。カフェ、ギャラリー、レストランが立ち並ぶ文化センター、コンサート会場を作ることができる。この計画は前のベシクタシュの執行部に提示された。「あなた方が望む場所に新スタジアムを建設しよう」という案が示され、彼らも「それがいい。それが一番正しい」と述べたそうだ。

新スタジアムの収容人数、42500人の予定だった

試合の前にベシクタシュ鮮魚市場では「アフタポット」、「トゥルグトウン・イェリ」、「ババルク」や「カザン」のような場所で会い、その後スタジアムに行くことが私たちベシクタシュ市民にとって何年も変わらない儀式である。しかしギュナイ大臣は市場の熱気を恐れてように見える。

32000人の収容人数で132デシベルの音を発し世界記録を更新したファンが、42500人収容されればおそらくその声によってドルマバフチェ宮殿を破壊しかねないと恐れているのだ」。

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( 翻訳者:入口 愛 )
( 記事ID:21806 )