エジプト:ムスリムとキリスト教徒による団結集会
2011年03月11日付 Al-Ahram 紙

■アトフィーフのムスリムとキリスト教徒が国の団結を確かめるために大衆的集会を開催

2011年03月11日『アハラーム』

ヘルワーン県アトフィーフの中心部にあるスール村に平穏が戻った。最近同村で起こったムスリムとキリスト教徒の間の紛争に、民間ならびに行政指導者や著名人らが介入し、危機鎮静化に努めた結果である。

本日村民たちは、村で一番大きいアリー・ブン・ターリブ・モスクでの金曜礼拝の後、大衆集会を開いた。「ムスリムとキリスト教徒は一つ。宗派対立にNo。スール村民は一つ」といった暴力追放と国の団結を呼びかける叫び声を繰り返した。

アリー・ブン・ターリブ・モスクで金曜礼拝の説教を行ったイスラームの導師であるアムル・ハーリドは、その中で騒乱を止め平和を行きわたらせること、ならびに帰属が異なる全エジプト人の団結を強く求めた。

アムル・ハーリド導師によれば、彼が本日スール村のムスリムにもキリスト教徒にも等しくもたらしたメッセージは、エジプト人は全員で騒乱を否定し混乱状態に立ち向かい、「混乱か復興か…すべての人は混乱ではなく復興を選んだ」という標語を称揚することである。

ハーリドは中東通信社(MENA)への声明で次のように述べた。

「スール村はじめエジプトのあらゆる市町村で、住民間の冷静さと団結を守るのは、エジプト人自身に他ならない。あらゆる人がここへ来た。毎日村に来ている軍や代表団はその内去るだろう。そして、自ら団結を守るべき村民が留まることになる。」

また導師は、スール村民が団結を守り扇動的な活動を避けること、騒乱やデマの扇動者と距離を置くことと全てのムスリムとキリスト教徒の団結を保つことを彼に約束し誓い合ったと確認した。

導師によれば、ヘルワーン治安局長のアービディーン・ユースフ少将、軍指導者のアリー・アル=クラシー少将はじめアトフィーフ中心部とヘルワーン県の行政並びに民間の責任者たち多数が、スール村の大集会に参加した。


そして、「宗派主義追放」行進が、アレキサンドリアのあちこちに広まっている。

アレキサンドリア市の様々な地区で、住民数百人が行進し、国の団結を確認し、社会の中で宗派対立を起こそうとするいかなる試みも拒絶する意思を示した。参加者たちは、新月と十字架つまりイスラームとキリスト教のシンボルが互いに抱き合っていることを示すプラカードや、社会改革とその継続を目的とした1月25日革命の要求の確認を示すプラカードを持っていた。

行進は金曜礼拝の後アル=カーイド[指導者]・イブラーヒーム・モスクの中庭の前で行われ、そこでデモ隊は「1つの国の団結」や「どんなに禁じられても、私はモスクの向かいに教会を建てる」といったシュプレヒコールを繰り返した。デモ隊は、国の団結を守ることを強調するため、県内各地で大きな教会がある街区に向かって、人を集めて行進すると述べていた。

行進の一つは聖マルコ大主教管区の本部前に止まった。教会の牧師であるイブラーム・イーミール教会主席司祭とアレキサンドリア司祭協会のメンバーである多くの神父は彼らを受け入れ、共に国の団結を表現するシュプレヒコールを繰り返し、神父たちはエジプト社会の一体性を強調する為十字架と並べてコーランの写本を掲げた。

この行進の背景にはアトフィーフ地方の聖ジョージと聖ミーナーの二聖人教会で起こった事件がある。これを受け、軍は素早く鎮静化をはかり、教会の再建と修繕、そしてそれがイースター前には完了することを宣言した。この直後、アレキサンドリアで多くの平和的デモ隊が、エジプト社会の連帯の下住民の権利と信仰の自由の実践を強調するため外に出た。

それらのデモには、1月25日革命の勃発以降エジプト社会の全成員が宗教施設(モスク・教会を問わず)保護のため協力しあったことを記念する意味に加え、社会の平和を保つための軍の努力への感謝の意が含まれていた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:石川貴子 )
( 記事ID:21810 )