猫殺し事件裁判、はじまる
2011年03月17日付 Milliyet 紙


近隣住民の飼い猫を9階の自宅ベランダから投げ捨てた男性の裁判が開始された。

トラブゾン動物保護・養育協会(TRAHAYKO)ヴァクフクエビル地区代表者である近隣住民、ファトマ・ビロルさんの「プトゥル」という名前の飼い猫を9階の自宅ベランダから投げ落とし殺したと訴えられているメフメト・カルカチ被告に対して、4ヵ月以上3年以下の懲役を求刑する裁判が開始された。

ヴァクフクエビル第一審刑事裁判所の審理には、保釈中のメフメト・カルカチ被告と原告のファトマ・ビロルさんが出廷した。メフメト・カルカチ被告の妻、アイシェ・カルカチさんとトラブゾン動物保護・養育協会のメラハト・アルトゥンタシュ会長も審理を傍聴した。

トラブゾン動物保護・養育協会のヴァクフクエビル地区代表者のビロルさんは審理において、(彼女が)ヴァクフクエビルにあるアパートの7階に住んでおり、事件の日、一年間飼っていた「プトゥル」という名前の猫は掃除のために開けられたドアを通って非常階段を9階まで昇り、その階の住人、メフメト・カルカチの家に入ったと陳述した。

ビロルさんは、プトゥルの鳴き声を聞き、カルカチ家族の家まで探しに行った時に、メフメト・カルカチ被告が棒を手にし、寝室のドアが開いているのを目にしたという。さらにビロルさんが(カルカチ被告に)プトゥルに何があったのかを訊ねると、被告人の妻アイシェ・カルカチが悪態をつき、彼女を追い出したと証言した。

ビロルさんは口論を早めに切り上げるために一度自分の部屋に戻ったが、しばらくして飼い猫がカルカチ家寝室の窓の真下にあたる通りで血まみれになっているのを見つけたと述べ、「彼らは『棒で猫をベランダへ追いやった。』と言っている。棒で猫をベランダまで追いはらうなんてことがあるでしょうか。もしそうなら、“猫をつれて帰れ”と私に言えばよかったのです」と話した。

メフメト・カルカチ被告がプトゥルをベランダから投げ落としたと主張するビロルさんは、コンクリートの地面に打ち付けられた猫の死への無念さを顕わにし、カルカチ被告を非難した。

一方メフメト・カルカチ被告は無罪を主張し、事件の日、猫は非常階段を上って被告の部屋へ入って来たと述べる。

猫は自宅のベランダから落ちた可能性があると述べるメフメト・カルカチ被告は、「私の家の中に入って来た猫を妻と子供たちがとても怖がったので、私は猫をベランダに追い出した。でもベランダから落としてはいない。猫が家の中に入ってきたので、私たちは大変慌てた。猫がどのようにして死んだのか、私は知らない」と話した。

■専門家の鑑定が行われる予定

裁判官は、プトゥルの死因に関し専門家による鑑定を受けるため、(次回の)審理を延期した。
アナトリア通信の質問に答えたトラブゾン動物保護・養育協会のメラハト・アルトゥンタシュ会長は、審理の後、猫を投げ落としたと訴えられているカルカチ被告の家のバルコニーに行き、調査を行ったと話した。

アルトゥンタシュ会長は、プトゥルが(被告の)家に入った後、非常階段に続くドアが(何者かによって)閉められたとみており、もしこのドアが開いていれば、プトゥルは非常階段から再び下の階へと降りることができ、窓から落ちる可能性も無かったのではないかと語った。さらに会長は、動物の権利を擁護する者としてビロルさんの訴えを支持するつもりであると述べた。

■4ヶ月以上3年以下の懲役を求刑

ヴァクフクエビル共和国検察による起訴状で、「ファトマ・ビロル氏の猫を9階から投げ落とし、死に至らしめた」ことにより訴えられたメフメト・カルカチ被告は、「器物損壊」罪をを定めるトルコ刑法(TCK)151条に従い罰せられることが求められている。

トルコ刑法151条には「正当な理由なく所有者のいる動物を殺害した者、傷害した者、またはその価値を低下させた者には4ヶ月以上3年以下の懲役或いは罰金を科する」と定められている。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:21854 )