Taha Akyol コラム:リビア問題、トルコの役割
2011年03月25日付 Milliyet紙

トルコはリビア問題に関して、NATOと行動をともにしている。昨日(3月24日)、トルコ国会で承認された(リビア制裁に関する)書覚書の意義はこれである。私はいくつかの観点からいい傾向にあると考えている。

 第一に、何につけてもトルコを除外したがるサルコジの出鼻はくじかれた。。リビアに対する軍事作戦において、外交的・軍事的なイニシアチブはサルコジの手からNATOに移りつつある。
 第二には、トルコは「リビア国民に武器を向けない」ということが明確に示された。軍事作戦において、警備、監督、人道支援組織の分野での任務を担う予定である。このようにして、バランスを保つであろう。
 第三に、想定に反して、トルコは欧米の外に身をおいたわけではない。特に、アメリカ合衆国とは共同作戦を行っている。トルコが東洋と信頼関係を構築することはもちろんであるが、しかし西欧と良好な関係を続けることもまた非常に重要なのである。

■サルコジ問題

 サルコジ問題はとくに重要である。なぜなら問題はサルコジ本人の好き嫌いの問題ではないからである。今回のことは、トルコを除外することでどうなるかを西欧が理解する点で、一つのよい『事例』である。

リビアでまだ虐殺が見られていない3月1日時点で、エルドアン首相は「リビアにNATOは何の用がある」と言っていた。期待されていたのは、事態がエジプトやチュニジアのように外部からの干渉なしに進展することであった・・・。

しかし、カダフィーの虐殺軍が3月17日にベンガジを圧迫すると、エルドアン首相も「どれだけ血が流れるだろうか、さらにどれだけの人が死ぬだろうか」と懸念を表明した。世界でカダフィーに対する反発が高まっていった。3月17日に国連がリビアで飛行禁止区域を設定する第1973号決議を採択した。

この状況を好機とみたサルコジは「義勇連合軍」の指揮官として表舞台に飛び出し、3月19日にリビアを空爆した。サルコジの計算ではNATOは一種の「後方部隊」であり、フランスの「連合義勇軍」が表に出るはずであったのだ!
トルコはこれに反発した。軍事作戦のために戦闘機を用意していたイタリア、ノルウェー、アラブ諸国も異議を唱えた。そしてアメリカ合衆国の支持により、リビアへの派遣と統制権がNATOに移譲されることが昨日決定された。イニシアチブはサルコジの手を離れたのだ。
『事態の成り行き』がサルコジへのよい教訓となるのと同様に、トルコの重要性が西欧側にもより一層理解されるだろう。つまり、フランスのようにリビアを空爆するだろう国々は存在したが、どの西欧国家がトルコの役割を果たすことができるだろうか?!

■トルコのソフトパワー

リビアを空爆することは容易だ。しかし軍事作戦の後には、政治秩序が構築され、リビアが国際社会に参加するにあたって建設的な役割を果たす効果的な要素が必要である。これが、トルコなのである!
西欧諸国がだんだんと、より一層認知していくであろう真実が、これである。
残念ながら中東は今後何カ月、何年かの間さらに混乱を極めるだろう。民衆の運動や移行期間の騒動は増加するだろう!
血なまぐさい大規模な衝突が起こることがないとはいえないだろう。
トルコが一方の足をしっかりと西洋につけ、他方で東洋との関係を築き、東洋世界において、武器や爆弾でなく、「ソフトパワー」を以って建設的な役割を担うことは、非常に大きな重要性を持つのである。
このことを、オバマのアメリカはよく理解している。
EU内でこれを理解していない人々も、理解せざるをえなくなるだろう。ヨーロッパは、メルケルや、さらにはサルコジに追従する限り、傍観者の立場にとどまるか、あるいは、失敗するか以外なにもできないであろう。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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(翻訳者:吉岡春菜)
(記事ID:21942)