シーア派宗教指導者たち、バーレーン問題に対する各国の無関心を批判
2011年03月16日付 Jam-e Jam 紙

アメリカとアラブ首長国連邦の支持の下で繰り広げられているバーレーン市民への虐殺に対し、我が国の偉大なるマルジャ(シーア派の最高権威)たちは警告を発した。アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、「バーレーンを支配する独裁者と、同国で繰り広げられている虐殺を、西洋諸国やサウジアラビア、アラブ首長国連邦は支持している。こうした支持は、彼らにとって高くつくことになるだろう。また、地域の人々はこれを決して容認しないだろう」と強調した。

 イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはゴムの大モスクで本日行われた、イスラーム法学の上級コースの授業のなかで、今回の事態について驚天動地の惨劇だと指摘した上で、「長年にわたって《民主主義》だとか《人民主権》といったスローガンをこれ見よがしに掲げてきた西洋諸国は、今や地域人民の蜂起に直面して舵を完全に切り替え、独裁者を〔公然と〕支持するようになった」と付け加えた。

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは地域の諸国民が起こしている運動は真に民主主義的なものだとした上で、「西洋諸国が言う民主主義や人権といったものは、地域を支配する独裁者たちによって自分たちの利権が守られることを意味しているにすぎない」と強調した。

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはまた、サウジアラビアやアラブ首長国連邦がバーレーンの無辜の人々を虐殺するために同国に部隊を派遣したことは、まったく驚くべきことだと指摘し、これらの国々の指導者らに対し、「地域の人々がこれを容認することはないだろうし、あなた方に報いを与えることになるだろう。こうした所業は、あなた方にとって高くつくはずだ。〔早々に〕戦場から身を引くべきだ」と呼びかけた。

 マルジャエ・タグリード(シーア派の宗教最高権威)である同師はさらに、防衛協定にもとづいてバーレーンに部隊を派遣したとする、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の為政者たちの説明は、まったく受け入れられないと指摘し、「正当な要求を掲げ、人民政府の樹立を望む自国民の虐殺を手助けすることが、この協定の意味するところなのか?子供だって、こんな論理は受け入れまい」とまくし立てた。

 同師はまた、新年を迎えるにあたり、迷信を避け、奢侈を控え、ノウルーズ(イランの正月)の人間的・倫理的・イスラーム的側面に注意を払うことの必要性を強調し、次のように述べた。「もしノウルーズ休みの期間中、迷信的な側面が立ち現れるようなことがあれば、それはイスラームの認めるところのものではない。しかしそれ〔ノウルーズ〕がもつ肯定的な側面は、イスラームに反するものではなく、むしろイスラームが支持するものである」。
〔※イラン正月「ノウルーズ」は独自の太陽暦にもとづくもので、ノウルーズ休み前後には、「チャハール・シャンベ・スーリー」(火の上を飛び跳ね、無病息災を祈る行事)や「スィーズダフ・ベダル」(川辺でのピクニック)など、イスラーム以前のゾロアスター教に由来する行事・慣習が存在する〕

 同師はまた、日本での地震に遺憾の意を示し、同胞人類への支援はイスラームの命ずるところのものだとの見解を示した上で、「今次の災害は、いついかなる時も傲り高ぶってはいけないということ、真理(神)の道を歩まなければならないということを教える、全人類に対する教訓である」と付け加えた。

 アーヤトッラー・サーフィー=ゴルパーイェガーニーも声明を出し、サウジアラビアならびにアラブ首長国連邦がバーレーンに軍隊を派遣したことに対して警告を発した。

 マルジャエ・タグリードである同師の声明は、アラブ諸国で発生した人民によるイスラームの覚醒と運動は近代史上きわめて重要な出来事であると指摘した上で、次のように述べられている。「自由を希求するこの運動はチュニジアに始まり、その後瞬く間に中東地域を巻き込んでいき、エジプト、イエメン、リビア、バーレーンといった国々を、イスラームを求め、植民地主義を排撃する呼びかけの下に置いた」。

 アーヤトッラー・サーフィー=ゴルパーイェガーニーはまた、この声明の中で、「植民地主義の指導者たち、特にアメリカは金で雇われた傀儡を据え、彼らを支援することで、アラブ世界を自らの帝国主義的支配の下に置き、アラブ諸国の天然資源を支配してきた。こうした彼らは、自由を希求するこの運動によって、欺瞞に満ちた解決策の模索と〔アラブ世界に対する新たな〕干渉に駆られている」と明言した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:22018 )